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玄弥side
『はぁーーーたのしかった!!』
射的に金魚すくい、ヨーヨー釣りに買い食い…
2時間くらいお祭りを存分に楽しんだ後
屋台の並びから少し外れたところの石段に座って二人でたこ焼きを半分こしていたら、Aが無邪気に笑ってそう言った
俺が箸でつまんで差し出したたこ焼きを
また美味しそうにぱくりと食べる
玄弥「俺こんなふうに家族以外の誰かとお祭り楽しんだの初めてかもしれない」
『あー…私たちがちゃんと話すようになったの、去年のこの時期だったもんな』
玄弥「まだ一年…」
Aと初めて喋ったときのことを思い出して感慨深くなる
最後のたこ焼きをAに譲った後
少し長い沈黙が訪れた
玄弥「花火そろそろだなぁ」
返事はない
だけどそれでもいい
Aとの間に流れる沈黙は嫌いじゃなかった
横を見ると、Aは遠くの夜空をじっと見つめている
『…あのさ、玄弥』
かと思えば、急に真面目な顔をして俺に向き直った
『…私、玄弥に謝らなきゃいけないことがある』
玄弥「…え、何の話?」
『不死川先生を殴ったこと。
玄弥の大事な人なのに、玄弥にまだ謝ってなかった』
玄弥「!」
それはもう何ヵ月も前の話
Aと兄ちゃんが急接近(?)するキッカケになった出来事。
玄弥「別にいいよそんなの
謝ってほしいなんて1ミリも思わなかったし…」
『そういうわけにはいかない』
Aが俺が射的で取ってあげた縫いぐるみを大事そうに抱き締めたまま口を尖らせた
『この数ヶ月、不死川先生と一緒にいてわかったんだ
玄弥のいう通り、根がものすごく優しい人だった』
玄弥「!」
『ていうか自分を殴った生徒でもあれだけ必死に庇って、守ってくれた時点でだいたいわかってた』
Aの宝石みたいな瞳に夜空の星がうつって、より綺麗に輝く
『玄弥に比べたら私なんか全然あの人のこと知らなかったのに、散々言ってきたこと、謝らせて』
玄弥「…ぁ、えー…
どうだろう…わかってほしいとは思ってたけど…
怒ってはなかったからな…
それにAが怒ってくれてたのって、俺のためだったし…嬉しかったよ」
『…そっか』
俺がキョドってそう言うと
Aはポツリと呟いて俺が手に持っていたわたあめの袋を開けた
その顔は少しだけ安心したような顔で
Aの腕に抱えられた縫いぐるみ__少しだけ兄ちゃんに似てる犬の縫いぐるみが
微笑んだ気がした
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街角のドーナツ屋(プロフ) - まおさん» うわぁぁあほんとですね!?!ヽ(;゚;Д;゚;; )手書きでは書けるのに…何故…。すみません本当にありがとうございます(-∀-`; ) (2021年2月7日 7時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 宇髄さんの漢字が最初から間違ってますので、直していただけると幸いです。 (2021年2月7日 6時) (レス) id: 29b9624abf (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - まりさん» ご期待に応えられるようにがんばります!読んでくださってありがとうございます(T^T) (2021年1月26日 22時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - 3104 23さん» 嬉しいです〜!!そう言ってもらえると筆(?)が進みます!ありがとうございますがんばります!!!(*´▽`*) (2021年1月26日 22時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まり - 続き楽しみにしてます! (2021年1月26日 20時) (レス) id: ca5a6634ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:街角のドーナツ屋 | 作成日時:2021年1月20日 1時