たぶん世界で稀な恋【不死川実弥】

#24 ページ27

Aside



せっかくこの広い花火大会の会場で会えたというのに、不死川先生は煉獄先生がきて間もないうちにどこかに消えてしまった



『(たぶん私に気を遣ってくれたんだろうけど…)』



一方で煉獄先生は
私が玄弥を待っていることを伝えると

煉獄「なら俺も一緒に不死川少年を待とう！」

と、張り切って隣にいてくれていた




『(不死川先生…もうちょっと喋ってくれてもよかったのに)』

煉獄「A」

『ひゃい！？！？』



突然耳元で名前を呼ばれて
驚いて色気のない声が出てしまう

色気がないのはいつものことなんだが。



煉獄「すまない、驚かせたか？
さっきから何度も呼んでいたんだがな！」

『え、ほんとですか！？すみません！』



煉獄先生に呼ばれて気づかないことなんて今まで無かったのに。


何だか申し訳なくて、顔を隠したくなって
不死川先生からもらったお面を被ろうとした

するとその手を煉獄先生にそっとつかまれる



『ぇ』

煉獄「…その狐の面のことなんだが、
それだけ先に買ったのか？」

『え！あぁ、これは…さっき不死川先生がナンパ防止用にと買ってくださって…』

煉獄「！、ほぅ…」

『…ぇ、なんです、か』




煉獄先生がｽｯ…と目を細めて私を見る

まさにこれが色気だと思うほど
煉獄先生は妖艶に微笑んで



煉獄「…俺と一緒にいる間は被らないでくれないか
せっかくこんなに綺麗な君が隣にいるのに、顔が見えないのは惜しい」



と、私の頬を撫でた

あまりにも優しいその触り方に
こそばゆくて全身に電気が走る



『うぐ…あ、あんまり誉められると
恥ずかしいです…』

煉獄「だが嘘はついてない」

『勘弁してください煉獄先生…！』



容姿を誉められることすらそうそうないのに、煉獄先生に誉められるなんて。

幸福と恥ずかしさで心臓がバクハツしそうだ



それが耐えられなくて
バッ！！とお面被って俯いた



『…？煉獄先生？』



すると突然煉獄先生が喋らなくなる

不思議に思ってﾁﾗﾘとお面を上げて煉獄の表情を伺おうとした



____が、たぶんそれは間違いだった




そらきたと言わんばかりに
タイミングを見計らって先生にお面をずらされ、顔を覗き込まれたのだ

お祭りの光が逆光になって
先生がより妖艶にみえる



煉獄「今は2人だぞ、A」

『！、す、みません…きょ、杏寿郎先生…』



至近距離で満足そうにﾆｯｺﾘと笑う杏寿郎先生のその行動は

私の顔を紅くするには十分だった

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