【WT】異族は同地にてあざれあふ

プロローグ ページ1

炎の玉や水の塊が、
宙を自由自在に動き回る。

ここは様々な種族が共に暮らしている境界。

ドラゴンを先祖に持つもの。
鳥人族、獣人族、魔物、妖精…

姿形はそれぞれ違う。
それでも手を取り合って生きている。

魔力の強い上位種族は、下位種族を救い。
中位種族は、上位種族、下位種族の補佐をする。

魔力によって上位、中位、下位に分けられてはいる
ものの、位の違いを感じさせないほどに、
仲睦まじく暮していた。

その中で、違う種族同士は、お互いの魔力を体内に
取り込み、一時的に一体化することができる。
でもそれは、彼らにとっては簡単に行っていいものではなかった。
一体化とは、お互いに誓約を誓わなくてはならない。

種族達の誓約とは、自分の魔力を少し相手に送り込み、手の甲に紋章を浮かび上がらせる。
それが誓約の証だった。

誓約を通して、一体化した種族は、2つの種族が入り交じったような姿になる。
そして、膨大な魔力が全身を包み込む。
魔力は相性によって異なるため、相手との相性を
考慮する必要がある。

加えて、誓約は愛する者同士が結ぶことが多い。



愛する者との誓約を叶えるべくして起きた、
異なる種族たちの恋煩いのお話。

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