9羽。 ページ10
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「だから例えばやって。僕こっちきてそない経ってへんし、どこの高校がどうとか知らんから」
なんなんさっきからこいつ。
僕間違ったこと言うてるやろか。事実今は見学期間やろが。
僕は楽しくバレーやろ〜思ってるだけや。
やりたいバレーがほんまにできるとこか、見たろ思ってるだけやし。
吉川「そ、それはそうかもだけど…少しは知ってんだろ!?」
田中「おーいお前ら…」
「…知らんな。関西と宮城じゃ、接点ないやろ」
知らんよ。宮城の高校なんて。知らん。
吉川「お前、知らないのかよ!烏野はこの間の春高全国行ってんだぞ!?お前がどこ中か知らねぇけど、優勝候補だった兵庫のなんとか崎ってとこにも勝っt…痛っ!?はっ?!かず、お前本気で殴ったろ!?」
?「言い過ぎだ、真司。落ち着け」
隣のやつのこと忘れてた…でかいのに存在感消さんでくれ
「!?いっっった!!!!えっ!?」
?「お前もだ。未鳶。そんな熱くなることないだろう」
「す、すまん…?」
縁下「ははは、お前ら元気だなぁ」
危うく体育館からつまみ出すところだったわ〜
なんて笑顔で言う主将。
いや怖いっす。なんなんっすかそれ…
縁下「入部するしないにしろ、とにかく中入んべ〜
ほーら、田中睨まない!練習始めんぞ〜」
パンパンッ、と手を叩いて体育館に入っていく縁下さん。
縁下「さ、ほら1年も。そんなとこ立ってないで中入ってきなって」
振り返って僕らに声をかけた先輩は、僕の方を見て
縁下「そんで、未鳶は思う存分、うちを観察してくれればいいから。な?」
なんて優しい笑顔で言った。
ひん曲がった性格の僕にはそれが、
最大の挑発に見えた。
…ところで。
「なぁ、お前、名前なんていうん」
本田「本田 和昌(ホンダ カズマサ)だ」
「ほーほー。僕はみと 本「未鳶 健。知ってる」
「お、おう。よろしく、な」
本田「ああ」
ここに来て、ようやく目つきの悪いこいつの名前を知った
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作者名:つな | 作成日時:2019年8月29日 0時