19羽。 ページ21
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吉川「まっ、烏野のバレーが好きなのはわかる。俺もインハイ観て決めたからな!いや春高もすごかったんだけどな、いやぁ準々決勝とかさぁ…」
吉川が去年の春高予選について熱弁している横で何か考え込んでいる本田
「本田、どしたん」
本田「…梶本、お前、ウィングスパイカーだったよな」
梶本「ん?そうだよ。ちなみに只今ジャンプサーブの強化中!」
本田「…中総体、2年の時と3年の時の優秀選手に選ばれてた白鳥沢のエーススパイカー。ブロックの隙間を通すまさに針に糸を通すような器用さを持ちながらも、サーブの威力は中学生ではトップクラス。
…その選手の名前、梶本、じゃなかったか」
吉川「…んぁぁっ!?えっ、あっ、え??」
はっ?とテンパり頭を抱える真司。
その隣でニコニコしてる梶本。
吉川「いや、俺見たことあるけど、こいつと雰囲気全然違ったぞ…」
本田「あぁ。だから俺も気づかなかった。
…でも、さっきの体育館での自己紹介のとき。それと今。バレーの話になるとお前、雰囲気変わるよな」
「んー豹変タイプ、みたいな?」
本田「本当かわからない。本人に聞くしか、と思って」
ずっとニコニコしていた梶本は、少し眉尻を下げて口を開いた
梶本「あーはは。えー、うんっと、へへへ。
それ、俺だねぇ」
"やっぱさすがエースや!"
"いるだけでしまるよなぁ"
"いやぁ、いつ見てもほんまキレッキレ"
「…なんでそんな、寂しそうやねん」
梶本「え?」
あかん
「んや?ちょっとそう見えただけや。気のせいやったら気にせんといて」
僕はこいつみたいに真っ直ぐに前を見れてへんから
「…ちゅーか、作戦会議するんとちゃうんけ」
吉川「あぁ!そう!そうだった!!大事なやつ!!」
たまーに、奥底にしまったなんや黒いのが、出てまう。
梶本「…未鳶くん、俺、寂しそう?」
「…あぁ、ごめん。なんや知り合いに似とったからそう思っただけやって」
僕はズルイから、後ろを向いていることに、気づかないふりをしてる。
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作者名:つな | 作成日時:2019年8月29日 0時