視点1 ページ5
僕はタロウ。そう呼ばれてる。今は、飼い主の恵美子さんと敏夫さんと、猫のマルと一緒に暮らしてる。
僕は、犬でよかったなって思ってる。だって、敏夫さんは毎日朝早くにどこかへ出かけていって、夜遅くに帰ってくる。金曜日の夜はいっつも顔を真っ赤にして歌を歌いながら楽しそうに帰ってくるけど、それ以外の日はどんよりした顔で帰ってくる。恵美子さんが用意してくれたご飯すら食べずに寝てしまうこともある。
恵美子さんは、毎日そんな敏夫さんのお世話をしている。自分が作ったご飯を食べてくれなくても、怒ることなくいつもニコニコしている。でも、それも大変だと思う。それと、敏夫さんが外出してからも、洗濯物だったり家の用事をしている。何よりも忘れてはいけないのが、僕へのご飯を毎日用意してくれて、僕とマルの世話もしてくれている。恵美子さんがいなければ、この家はどうなっていたことだろうか。
マルは、毎日あくびばっかりしている。そんなに眠いの?って思うけど、いつもあくびをしている。眠いのなら寝ればいいのに、って思うけど、マルはそれもしない。っていうかあの子は、いつも何もしない。僕はよく恵美子さんにおもちゃで遊んでもらう。散歩にも連れていってもらう。恵美子さんと遊ぶのはほんとに楽しいからマルも遊べばいいのにって思うけど、マルはなんと猫じゃらしにさえ興味を示さない。生きてて何が楽しいんだろうか。いや、マルなりに楽しいと思えることがあるのならそれでいいんだが…
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作者名:マーチ | 作者ホームページ:https://twitter.com/march059
作成日時:2018年1月22日 2時