marble (ページ42)

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ⅩLⅠ ページ42

息苦しさを感じ目が覚めた

視線を少し上にあげれば
穏やかな日高さんの寝顔

そっか、昨日あのまま寝落ちしたのか

日高さんは一晩中私を抱き締めてくれていたんだ

彼を起こさないようにそっと体を引き抜こうとすると腰にあった腕が私を抱きしめ直した

えっと、、、

起きられない

なんとか首をひねって壁の時計を確認すれば
10時を過ぎていた

もうお昼に近いな

起きたい

瞼がヒリヒリしてて
到底他人には見せられない顔だと思う

日高さんに見られる前に
冷やさなきゃ

何とかして藻掻くも
その度に体から密着して抜け出せない

もう疲れた、二度寝しようかな

諦めたとき

｢ふふっ｣

不意に頭の上から声が降ってきた

｢日高さん？｣

日高｢おはよ｣

少し顔をあげれば
半分ほどしか開いてない目が私を見つめる

｢起きてたの？｣

日高｢んー、目が覚めたらなんかモゾモゾしてたから抱きしめてあげた｣

まだ寝ぼけてるように笑う

｢意地悪｣

日高｢俺こんなに優しいのに。昨日泣いてたの誰だっけ？｣

腫れた瞼を彼がつつく

う、、、
それを引き合いに出されると何も言えない

それと同時に昨日の感情を思い出す

ダメだ、やっぱり泣きそうになる

目の前にある胸に顔を埋める
昨日の今日で、許して

日高｢Aちゃん？｣

｢昨日はありがとう。お陰で少しスッキリできた｣

そう言えば、後頭部を彼の手が撫でる

寝起きの日高さんは温かくて
その温度にまた涙腺が緩んだ