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ⅩⅩⅦ ページ28

日高さん達と飲んだ日から1ヶ月

平凡で忙しい私の日常に以前とは違うことが一つ
毎日のように日高さんからメッセージが届く事

内容は大したことなくて

【今日のお昼はカレー！】

【西島の間抜けな寝顔笑】

【今日は6人で雑誌の撮影、買ってね！】

など近況が主で

返信できないことも少なくないけど
まるで気にして無いみたいだった

｢これ、ほぼ日記じゃん｣

｢何が？｣

つかの間の休憩
相変わらず喫煙室の住人と化してると
最近は聞かなかった声が耳に届いた

｢お疲れ｣

祐飛｢おう。で、何が日記？｣

わたしの隣に落ち着き火を着けた彼を見やる

心の声、漏れてたか

｢何でもない｣

携帯をポケットにしまい
2本目に火をつける

祐飛｢そ。つか最近顔見なかったな｣

｢外回りだからね。こっち戻ると定時過ぎてるし｣

祐飛｢この時期の営業忙しいよな｣

｢今の時期はどこの部署も同じでしょ｣

はぁ、とほぼ同時に漏れるため息

祐飛｢真似すんなよ｣

｢そっちこそ｣

テンポのいい会話も久しぶりで楽しい

祐飛｢あ、お前今週の金曜暇？｣

｢金曜？何も無いけど｣

祐飛｢週末の予定無いのかよ、寂しいやつだな｣

自分から聞いてきたくせに馬鹿にしてくる
ほんと、性格の悪い男

｢馬鹿にするために聞いたわけ？｣

祐飛｢いんや、暇なら買い物付きあってよ｣

珍しい
会社の外で会うなんて去年の同期会以来

｢いいけど、珍しいね｣

祐飛｢妹の誕生日プレゼント。何がいいかさっぱりだから女のお前が必要なんだよ｣

あからさまに困った顔でいう彼は
意外にも家族思いの優しいお兄ちゃんだった

｢そういう事｣

納得したように呟けば
また人を馬鹿にした顔でこちらを見る

祐飛｢俺とデート出来るんだから有難く思えよ｣

｢仕方ないから付き合ってあげますよー｣

憎まれ口の応酬もなんだか久しぶり

祐飛｢偉そうに。とりあえず時間見えたら連絡する｣

｢分かった、んじゃ頑張って｣

祐飛｢おう！｣

喫煙室を出れば

気分が明るくなったような気がした