marble (ページ21)

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日高「なんで閉めるの、入っていいよ」

「はい、失礼します」

日高さんに連れられて個室の中に入ると

会議で一度会った西島さん、與さんが座っていた

本物だ

こんな感想しか出てこない私の頭は回転が鈍いような気がする

日高「とりあえず座って、與の隣だけど」

「すみません、失礼します」

與「そんな固くならんで、なに飲むー？」

「ビールで」

與さんはテキパキとテーブルの片づけや注文などをしてくれた

日高「ごめんね、ビックリしたでしょ？」

「驚きましたよ」

日高「連れてくるつもりはなかったんだけどな」

そう言うと日高さんは西島さんを睨む

西島「俺だけじゃないし！與もノリノリだったろ！」

與「俺は興味あったから来てん。日高があんなになるまで連絡欲しがってる子がどんな子か」

日高「おい！」

日高さんが焦ったように制止する

「あんなに？」

心当たりが無く與さんに尋ねる

西島「そう！恋する乙女みたいな！」

日高「うっせーよ！」

與「聞いてみれば連絡貰えんかっただけって、かっこ悪すぎやろ」

日高「お前ら！！」

テンポのいい会話に聞いてるだけで笑みがこぼれた

西島「あー！日高笑われた！」

三人の視線が一斉にこっちに向く

與「笑ってる場合ちゃうで。えっと、、、何ちゃんやったっけ？」

「あ、大空Aです。営業してます」

西島「そう、Aちゃん！この間の会議にいたよね？」

「はい、今度の企画で広告・宣伝を担当します」

よろしくお願いします、と会釈程度に頭を下げる

日高「あ、ビール来たよ。とりあえず乾杯！」

「「「乾杯！」」」

グラスを煽ると独特の苦みを感じて仕事を終えたと実感する

與「Aちゃんいくつなん？」

「27です」

與「俺とそんな変わらんやん、堅苦しいから敬語やめてや？」

「そんなそんな！AAAのメンバーさんにタメ口なんて！」

顔の前で手を振って否定すると、西島さんが大きな声で笑った

西島「俺らなんかに気遣ってちゃ疲れ溜まっちゃうよ」

日高「そうだよ、俺もずっと思ってたし」

仕事相手でもあるということでなかなか頷けない私に日高さんが背中押した

「わかりました。頑張ります」

與「もう敬語やし」

早速突っ込まれてしまって少し恥ずかしくなる