STORM* Marble Loves 6 (ページ12)

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Marble*6.12(翔side) ページ12

最近黒く染めた髪の毛を

くしゃっ、と握る。

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翔「……っ、」

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頭を抱えて、目を瞑る。

浮かぶのは、泣きながら俺が好きだと。

俺との″恋″にしがみついていた、Aだけ。

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飛鳥を待たせているのに。

行かなければならないのに。

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俺を想って泣くこの声を。

ここでずっと、聞いていたいとも思う。

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コツ、コツ…

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革靴の音が聞こえて。

俺の目の前でその音が止まった。

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抱えた頭をあげると、

そこにはスーツを着た若い男が立っていて。

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「…あなた、ですか。Aさんを、苦しめていたのは。」

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そう、低く不気味な声で俺に言う。

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翔「…どちら、様ですか…」

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目を細めてその人の顔をみるけれど。

長い前髪で、目すらも見えなかった。