STORM* Marble Loves 6 (ページ11)

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Marble*6.11(翔side) ページ11

後ろ手に閉めた扉。

壁に背をついて、ずるずると滑り落ちた。

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翔「…くそっ、」

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握った拳を床に当てると、

痛みが伝わってくる。

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壁の向こうからは、泣いているAの声が聞こえて。

その声を聞いて、涙が出てきた。

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ああするしか…なかったんだ。

ああやって、冷たく突き放すしか…

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きっと、今。

俺が彼女に優しくしたら。

君は、縁談をすぐにでも破談にしようとするだろう。

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そんなの、いけない。

これ以上、事務所に逆らえば。

どうなるか、分らない。

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好きだよ…A。

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今日、″恋人″と称して連れてきた飛鳥の事なんて。

キスしたいとも…思わないよ。

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自分の中で閉じ込めてきただろう想いが。

次々と溢れ出てくるAを見て。

俺は、何をしてきたんだろうと思った。

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こんなに苦しめるまで。

俺は何も知らずに″彼氏″をやっていて。

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今はAを、抱きしめてやることも。

優しい言葉を掛けてやることも。

…出来ないって言うのに＿＿＿