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9.お家案内 ページ9







「ここの家主はもともとあそこの家のお爺ちゃんとお婆ちゃんでね、でも広すぎるからって新しく家建ててそっちに息子夫婦と住んでんのよ、オール電化がいいんだと」




爺ちゃん婆ちゃんも時の流れに乗りすぎ!と楽しそうに笑う西島さんの声が後ろから響いた





「だから、テラスハウスみたいなことはないし!ましてやテイラースウィフトが流れるみたいなお洒落なこともないんだなぁ、残念ながら!」





西島さんの優しい声につられたのかもう既に懐いたきなこを抱っこしてまた優しい顔して微笑んでる、







「さて…と、部屋、案内する」

『あ!お願いします!』


足元に倒して置いといたキャリーを西島さんが軽々と持ってくれた。


『自分で持ちます!大丈夫です!』

「2階だから階段あるし結構急だし」

『女子大卒だから非力じゃないですよ!』

「うん、非力じゃなくてもなんでも、女の子でしょ、Aは。俺が持つよ」





たはー…なんも返せません、
なんだ、このモテ力!計算してるの!?
漫画とかでしか見たことないんだけど!!





よく見たら西島さんて線が細くてすごく可愛子ちゃんじゃないですか…
髪の毛もふわふわで柔らかそうでぽってりした唇に長い睫毛、若干のタレ目に綺麗な肌、



そんな西島さんが軽々と私のキャリーを抱えながら「あっちが風呂で、そこのドアがトイレね、風呂もトイレもリフォームされてそこは綺麗だから」とありがたい説明をポツポツしながら前を歩く






階段を上がると、そこには廊下を挟んで両側に3つずつ、全部で6つのドアが並んでる。


『かわいい…』


だって、そのドアはカラフルに彩られて
薄萌黄、薄桜、柑子色、梔子色、群青色、(うすもえぎ、うすざくら、こうじいろ、くちなしいろ、ぐんじょういろ、)その向かいに茶色。



全部がとても綺麗な和風の渋い色をしてて、
思わず綺麗…と口に出してしまった。






「Aの部屋は1番奥の茶色ね、好きな色にドア染めていいから、ってか染めておきなね」

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作者名:Lip | 作成日時:2017年11月12日 23時

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