Marble (ページ2)

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2.でも、それでもページ2

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『えっ…なになに、どうしたの？』

マサさんキヨさんご夫婦とは
大学生になった18歳の春に出会ってから早9年の付き合いになるけど、
こんな表情は初めて見た…

「実は、、このアパートを取り壊すことになってしまって」

『…はい？』

「娘息子夫婦が勝手に決めてきてしまってな、わしらにはどうもできんくて…」

「本当に申し訳ない…！」

土下座をし出しそうな勢いのマサさんといつだかの携帯電話みたいに腰を折ったまま動かないキヨさんの腕を引っ張って『待って！』と止めた。

『待って待って！大丈夫よ、きっと！…私だって9年前みたいな子どもじゃないし、どうにかなるよ』

こう話してもどうにもマサさんとキヨさんが俯いてしまう、

『それに、マサさんもキヨさんも困っちゃうでしょ？安心して？「Aちゃん…」

やっと口を開いてくれたキヨさんに目を向けた瞬間想像し難い現実が押し寄せた…

「あのね…3日後にはこの家を出て欲しいのよ…」

はぁ！？って言ったような、言ってないような
記憶はすでに曖昧だけど…

やばい状況に置かれたことだけは理解できたのを覚えてる。