聞こえない“愛”を叫べ。【時透無一郎】 (ページ3)

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Aという子と一緒に、屋敷に帰り着いた。

僕が玄関で“入っていいよ”と手招きすると

Aは会釈して、玄関に上がった。

すごい瞳が輝いてる…

Aは持ってた紙に筆でこう書いた。

“大きなお屋敷ですね！”

純粋で可愛いっ

そして僕たちは、部屋で、向かい合うように座った。

無一郎 “Aのこと、知りたいな。”

そう紙に書いて見せると、Aは笑顔でうなずいてくれた。

A “耳が聞こえないのは生まれつきではありません”

　 “私の両親と兄弟は鬼に喰われました”

　 “その時のショックで、病気になり、難聴になりました”

…そうなんだ。

この子も僕と同じような境遇…

ますますこの子を守ってあげたいと思った。

僕が険しい顔をしてるとAは、

A “今は元気いっぱいです！”

　 “無一郎さんと仲良くなれたらいいな”

と書いて、にこにこしてる。

辛いことがあったなんて、１ミリも思わせないような明るさ。

惚れないわけ、ないでしょ．

A、その笑顔、ほかの男には絶対見せないで。