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「ポートマフィア?私が入るわけがない」
いつの間にか敬語は抜けていたが、今はそんな事を言っている場合じゃない。
話がおかしな方向にいってる。
私は逃げないと話したではないか!
いや、かくれんぼ自体逃げる訳では無いけど…
「中也。それはさせないよ?彼女はあくまでも一般人だ。人殺しはおろか、銃さえ握ったことがない。そんな彼女をポートマフィアが使うとでも?」
太宰さんが私から離れてチョーカーに話しかける。
もちろん手は握られたままだ。
『何も初めから殺せとは言ってねぇだろ。最初は書類整理くらいだろうが』
「それでも、だ。彼女は立派な探偵社の社員。中也に渡す気はない」
でも、これって断ったらどうなるんだ?
彼は私の首をいつでもぶっ飛ばせる。
スイッチか何かを押したら……私は首から上が消える。
「だ、ざいさん。やります。やらなきゃ、私は死ぬ」
途端に恐怖が私の中を支配した。
感情が忙しい。でかい事を言って結局は自分が助かる道に進んでしまう。
やはり死ぬということ以上に怖いものはないんだと思った。
『話がわかる奴でよかった。そんじゃあ、せいぜい足掻くことだな。すぐに捕まえてやるよ』
それを最後に、ブチりと無線機が切れたような音がした。
その場が一瞬にして静まり返る。
「太宰さん。逃げましょう。ポートマフィアなんかに捕まるわけにはいかない。だって……まだ探偵社にお礼ができてないから」
あの日、助けてくれた事は忘れない。
探偵社は私の命の恩人だ。入社して恩を返すと誓ったばっかりだ。
「そうだね。まずは安全な場所に身を隠そう」
コクリと頷き、周りに注意しながら探偵社へと向かった。
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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年1月30日 1時