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一方的な約束 ページ4

その気になれば、自転車以外のものにもオレの観察眼は働く……こともあるかもしれない。

オレは地元の高校を選んで、そのまま自然に自転車競技部に入部した。

入部したはいいのだけれど、基礎練習も含めたメニューをこなすのは正直かったるい。
2年の泉田先輩は筋トレなんかも楽しそうにやってるけど、オレは山を登る方が好き!
でもその日はちょうど一年生も外を走っていい日で、部で練習に使っている道を登っていた。
登坂は昔から好きだった。キツければキツいほど生きている実感が沸いた。
そんな大好きな登り坂だった。

うちの制服を着た女の子がずっと先に見える。
軽やかなステップ?(よくわかんないや!)を踏んで、小さくジャンプして。そのままその女の子は着地した脚を踏み換えずに逆の脚を後ろに大きく上げてバランスを取る。

すげー!柔らかい!キレイだ!
あれってバレエ?体操?

でも、少しだけ違和感があった。
ジャンプの時、バランスで上げた方の脚をかばっているように見えたんだ。

何かを投げたような動作をしてすぐ、女の子はバランスを崩して見えなくなった。
瞬間、助けに行かなきゃ!と思う。

もし怪我をしていたら……?
オレは山や坂で困っている人を見過ごすことはできない。

あと少しで追い風が吹くだろう。ギアを上げる。
座り込んだ彼女はよく見えなくて、少し通り過ぎてしまった。

その女の子は恐ろしいほど軽かった。ダンサー?ならそうなんだろうなあ。
そして、うちの制服のスカートから覗く脚に――新しめの手術痕。
脚をかばっていたのはそういうことか。

でも、すっげー柔らかくてキレイだった。きらきら、光って見えたんだ。
絶対にAちゃんがちゃんと踊ってるところ、今度見せてもらうんだ!
うん、見せてもらう!約束だってした!

水瀬Aちゃん。
クラス聞くの忘れちゃった!
でも箱学みたいだし、絶対見せてもらう!

いつも、学校なんか行くなら坂を登っていたかったけれど、少しだけ学校に行くのが楽しみになった。

私たちはあなたを見ていた→←見えていたのか!



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設定タグ:真波山岳 , 弱虫ペダル , 委員長   
作品ジャンル:恋愛
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イヴ - 大人っぽいね〜こういうちょっと背伸びした小説、好きだよ♪それで、ちょっとアブナイ感じのが最大の好み♪♪主さんは? (2015年10月12日 1時) (レス) id: 50d5e2963d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆ記 | 作成日時:2014年9月8日 3時

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