愛屋及烏(*´ω｀*)愛され忍たま短編集＊続

40話 続＊恋の三角関係！？の段 ページ10

いつも通りの委員会を終え、一人で歩いている時だった。特にする事も無いので、ふらふらと廊下を歩いていると

急に腕を強く引かれ、背後へと倒れ込む。その先にあったのは硬く冷たい床ではなかった。

『…！？…？』
予想に反して、倒れ込んだ先は誰かの胸板だった。
ただただ困惑する私を抱きしめるその腕は微かに震えていて。まるで別れかの様に、ひしっと抱き締められた体は身動きが取れない。

『な、どうしたの？三木ヱ門。』

「…何でもないんだ。唯、これが最後だから。」

『？どうい…う、』
すると、いきなり引き離され後ろを振り向かせられる。見れば、額から汗を伝わせ息を荒らげた潮江先輩が居た。

かなり焦っている様子の潮江先輩は、私の肩を強く握りしめる。痛みを感じ"離して"と伝えると、"離さない"その一言だけが返ってきた。

「…田村どういうつもりだ。」
潮江先輩の目線は、真っ直ぐに三木ヱ門を見つめていて…

「潮江先輩が何にも行動に起こさないので、譲ってくれたのかと。」
表情ひとつ変えずに吐き捨てた三木ヱ門からは感情が読み取れない。

やめてー！私の為に争わないでー！
そんな在り来りなワンフレーズが頭の中をぐるぐると反芻している。自分でも分かる通り頭が完全に回っていない状態だ。

→続く

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