日替わりで載せきれなかったやつ ページ17
私が卒業してから早4年。直ぐにでもプロの忍者として働いても良かったのだが…「折角だから」と学園長が、忍術学園で少しの間研修生として働くことを勧めてくれた。その為、今日は久しぶりに忍術学園へ来ている。
学園の入口に立つと、次々と蘇る学園での記憶。
そういえば、今の6年生は伝七や兵太夫の代だっけ…?そんな事を考えながら門をくぐり抜け、小松田さんの名簿へと名前を記入する。
さらさらと筆を滑らせながら周りの音に耳を澄ませると賑やかな声、楽しそうな声が溢れている。偶に怒号も混じっているが…。よくよく聞いてみると聞き覚えのある声も聞こえてくる。
名前を書き終え、顔を上げると誰かが屈んで私を覗き込んでいる事に気が付いた。
私を見上げるその人は肌が白く、透き通る様だ。綺麗な顔立ちですっとした鼻筋、ぱっちりとした目。風に靡く長い髪は絶え間なく降り注ぐ陽の光によって輝いている。その整った容姿はまさに美形…
黙って見つめていると、突然声を掛けられる。
「…ふふっ。惚れちゃいました?」
目の前のその人は、頬を緩め柔らかい笑顔を私へと向ける。その顔は初対面に見せるような顔ではなく、本当に心を許した人に見せる表情だ。
驚きと困惑で言葉が出ない私に近ずき、にやりと嗤う。細めた瞳には、獲物を絶対に逃さぬ獣のような色が宿っている。ゾクリと背筋が凍りつく感覚に恐怖ではない、なにかの感情が芽生えた。
"その人"は私が解せぬ顔をしているのを見ると私の横髪をすくい上げ、私の耳へとかける。すると、私の顔をじっと見つめ始めた。今まで屈んでいた為気がつかなかったが、私より背が高い。私を軽く見下ろすその顔は少しばかり哀しそうで…。
「…覚えてませんか?」
悲しそうに眉を下げ、ぽそりと呟く。
全く意図が読めずにあたふたとしていると、背後から小松田さんのほわぁーとした柔らかい声が聞こえてくる。
「…あれぇー?兵太夫君委員会は大丈夫なのー?」
「伝七に任せてきました。まぁなんとかなってると思いまぁーす」
『……へぁ?』
(えっ?待ってください。今、"兵太夫"って…え?は?な、な、なわけないよねぇー!気のせいだようん。でも一応確認…)
『……へ、兵太夫?』
→続く
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紗那(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます!! (2019年12月2日 19時) (レス) id: a5ce07c098 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐メンタル[ 'ω' ](プロフ) - 桃さん» わぁぁ!ありがとうございます!!参考にさせていただきます!!インスピレーションってふとした瞬間にしか来ないんですよねェ)) (2018年8月11日 13時) (レス) id: 25e64bdab7 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - おはようございます インスピレーション湧かない時ってありますよね私も小説作ってるので分かります 私は音楽を聴いたり忍たまとか観たりしてインスピレーションを得ています (2018年8月11日 11時) (レス) id: af8a0276d1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐メンタル[ 'ω' ](プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» ありがとうございます!すみません…あまりヒロアカは詳しくなくて……私の知識不足で申し訳ございません…… (2018年8月10日 17時) (レス) id: 25e64bdab7 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐メンタル[ 'ω' ](プロフ) - 天然水豆腐さん» ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ありがとうございます好きです大好きですぅぅう!!もう結婚しよ…))(´・ω・`) (2018年8月10日 17時) (レス) id: 25e64bdab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐メンタル[ 'ω' ] | 作成日時:2018年3月13日 0時