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44話 うまま棒様リクエスト ページ14

ある日の昼下がり。実習を終え、やるべき事もなく暇を弄びながら、ふらふらと歩いていると…急に声をかけられる。

「Aちゃん。」
耳へ届いた声は凛々しく、すぐに利吉さんのものだとわかった。

『利吉さん!こんにちは。』
自然と頬が緩んでしまう。軽く会釈をすると、"そう堅苦しくしなくていいよ"と言われてしまった。

『今日はどういったご用件でしょうか?』

「…ん?あぁ、いや特に用は無かったんだが…」
そういうと、突然口ごもる利吉さん。視線をしたに下ろし、"どうしようか…"と考え込んでいる。

顔を覗き込むと、ぱちりと目が合う。少し驚いた顔がなんだか新鮮で口元が緩んでしまう。

利吉さんが顔を上げたので、私も同じ様に顔を上げると利吉さんの指が、私の横髪を掬い取る。

突然の行動に驚きを隠せないでいると、ふっと微笑んだ利吉さん。その姿があまりにも大人で、色っぽくて…胸が跳ね上がる音がした。

「別に、忍術学園自体には用は無かったんだが…ふと君の姿を見つけてね。ただ、会いたくて来たんだ。」

(おいおいおい、通り魔かよ。)

恰も自然と言い放つ利吉さんに、『他の子にもそういうこと言ってるんでしょう…?』と頬を膨らまし意地悪をすると、"Aちゃんだけだよ"と、軽く受け流されてしまった。

そんな事をしていると、放課後の自由時間はあっという間に過ぎていく。早く流れていく時間に、まだこうしていたいな…と甘えが頭に浮かび上がり始めた時だった。

『…あっ…』

「…どうしたんだい?」
私の横の木陰で涼む利吉さんは、興味有りげに問いかけてくる。

『いえ、何か忘れている気がして…』
何か忘れている気がしてならないのだが、それが何か分からない。なんだかもどかしくて、いっその事考えることをやめてしまおうか…そう考えていた時。

いきなり腰に軽く回された腕に、驚いていると上から声が降ってくる。

「利吉くん…遊びに来るのは良いんだけれど、A君を口説きに来るのは止めて欲しいなぁ。」
呆れたようにふっ、と笑みを零す土井先生。どうやら冗談で言ったらしい。声色からは冗談のような軽い口調が感じられる。

→続く

またまた謝罪+リクエスト確認→←43話 続*悪ふざけは程々に…の段



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紗那(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます!! (2019年12月2日 19時) (レス) id: a5ce07c098 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐メンタル[ 'ω' ](プロフ) - 桃さん» わぁぁ!ありがとうございます!!参考にさせていただきます!!インスピレーションってふとした瞬間にしか来ないんですよねェ)) (2018年8月11日 13時) (レス) id: 25e64bdab7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - おはようございます インスピレーション湧かない時ってありますよね私も小説作ってるので分かります 私は音楽を聴いたり忍たまとか観たりしてインスピレーションを得ています (2018年8月11日 11時) (レス) id: af8a0276d1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐メンタル[ 'ω' ](プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» ありがとうございます!すみません…あまりヒロアカは詳しくなくて……私の知識不足で申し訳ございません…… (2018年8月10日 17時) (レス) id: 25e64bdab7 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐メンタル[ 'ω' ](プロフ) - 天然水豆腐さん» ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ありがとうございます好きです大好きですぅぅう!!もう結婚しよ…))(´・ω・`) (2018年8月10日 17時) (レス) id: 25e64bdab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐メンタル[ 'ω' ] | 作成日時:2018年3月13日 0時

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