隣のクラス ページ8
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文化祭の準備が始まり、
校内が慌ただしくなってきた。
部活動も学祭準備期間のため無くなって、夜遅くまで学校に残ったりする生徒もいる。
私のクラスなんかでは主に女子が衣装作りや教室の飾りなんかを仕切って作っているが、ジャンルだけ女子の私は衣装の生地なんかを貰ってきたり買ったりする仕事しかしていなかった。
ヒラくんには「それってパシリって言うんじゃ…」なんてことを言われたけどその通りだからぐうの音も出ない。
「あ!Aちゃん丁度いいところにいるね!」
クラスの女子に止められ、おつかいを頼まれてしまった。自分の性格上断れるはずもなく、隣のクラスにダンボールを貰いに行った。
「あれ?Aちゃん!」
「あ!フジくんちょーどいいとこに!」
何やら大荷物を抱えているフジくんにばったりと遭遇した。
「ダンボール余ってる?」と聞くと「うちの要らなくなったやつ確か倉庫に運んでたから案内してあげるから待ってて」と言うとクラスに早足で入っていったかと思えばまた早足で戻ってきた。
「そんなに急がなくても」
「女の子を待たせるわけにはいかないからね」
なんて笑顔で言うものだから不覚にも胸がキュンとなってしまった。
「今日はヒラと一緒じゃないんだね」
「うん、うちのクラスの男子はみんな大道具で忙しいみたい」
「うちもだよ」
「Aちゃんちのクラスお化け屋敷なんだって?」
「そう!フジくんちのクラスは?」
「ふふ、当日のお楽しみ!ぜひきてね?」
世間話をしているうちにあっという間に倉庫に着いた。そこには余ったダンボールが乱雑に置いてあった。
「どのくらい持ってくの?」
「うーん、分かんないから持てるだけ持っていくつもり」
私は大きなダンボールを持てるだけ腕の中に収めた。その様子を隣で見ていたフジくんは置いてあるダンボールと私の持っていたダンボールをひょいと取り上げて踵を返した。私はハッとしてフジくんを追いかけた。
「ふっ、フジくん!待って!それ…」
「これくらい俺が持っていくよ」
「あ、ありがとう…」
慣れない女の子扱いにどぎまぎしてしまう。
少女漫画から出てきたかのような王子様みたいで、
女の子がこんな人放っておくわけ無い。
有難い気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
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まちや。(プロフ) - おばけさん» ありがとうございます!!^^ (2019年2月27日 23時) (レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
おばけ - めちゃおもろいです!更新応援してます! (2019年2月27日 16時) (レス) id: c7fac66308 (このIDを非表示/違反報告)
まちや。(プロフ) - スカイさん» スカイさんこちらにもコメントありがとうございます!!身に余る言葉ばかりで嬉しい限りです( ; ; )それと母のくだりが面白くてふふ、と笑ってしまいました(笑)とても励みになります、これからもよろしくお願いします! (2019年2月14日 5時) (レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - え、あの。好きです。←どうしたこいつ。 最初、ヒラさんだ〜。面白いのかな〜?と思い読んでみたら、なんということでしょう。作者様が神でした。面白過ぎて、1日で全シリーズ読んで仕舞いました(笑)←このあと母に怒られました。 更新気長に待ってます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: bfb55ad556 (このIDを非表示/違反報告)
まちや。(プロフ) - リルさん» ありがとうございます!!とっても励みになります( ;∀;)神だなんてそんなことないです!( ˘ω˘ )これからもどうぞよろしくお願いします!! (2018年5月17日 7時) (レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちや | 作成日時:2018年5月3日 13時