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「うん。一回他人のふりかな」
そう呟いて、自転車を走らせる。部活で頑張ってたから目がかすんでるだけなんだ。きっと疲れすぎて幻覚が見えているだけだ。そのはずだ。
「ま、待って待って。え、知り合い、だよね？」
「えっ……ちょっと、わかんないッス」
そう彼女に言って、わたしは同じように自転車を走らせる。すると彼女は一生懸命、といった感じで自転車の荷台を抑えてきた。
「ちょ、ちょ、ちょまっ、あぶな、危ないって！」
「……」
下からこちらを睨みつける彼女に。不覚にもキュンとする。かわいいとは正義なのだ。
「あの、えっと会ったこと、ある気しない？」
「新手の、ナンパですか？」
「いやいやいや」
「いやうん、ちょっとからかっただけだよ。なんか見たことあるもん」
そう言ってメガネをクイッとあげ、ようとした。しかしその手はおかしなことに、スカッと宙を切る。あれおかしい、わたしは眼鏡をかけていたはずなのに。
「えっとぉ、まず、お名前を聞いても？」
「有川です」
「……、うっそだ。わたしの知ってる有川さんはそんなロリータ服着てないもん。制服しか見たことないけど。あ、もしかしてそういう系統の服が好きな人？いいと思う。かわいいね！」
かわいいねという言葉に、有川さん(仮)は軽く否定して、違うよ！っと服装のことについて突っ込んだ。いや確かに、このツッコミ方は有川さんの可能性ある。
「まあいいや。わたしは近藤と申すものであります。近いに藤とか書きます」
「……やっぱり？こんどーだあ！」
「なんだ急に。テンションたか子かよ」
「え、誰それ」
「知らん」
とりあえず、
そう彼女は続けて、にっこりとわたしに笑いかけた。黒い髪が肩で揺れ、光に反射する。ルビーのように、いやいや血のように赤い瞳が、わたしを捉えてはなさい。こんなにも美しいものがあってたまるかというほどに、目の前に映る彼女は美しい。
わたしははぁ、とため息をこぼした。
「有川さん前も可愛かったけど今はもっとかわいいねなんなの整形した？」
「いやいや、してないよ！？」
「まあいいや。ねえさ、ここどこかわかる？」
「そう、それ！私も聴きたかったの！」
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Yuyu(プロフ) - ユーリYURIさん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年3月2日 11時) (
レス) id: 99bbdf4997 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリYURI - 更新がんばってください！！ (2020年3月1日 21時) (レス) id: 2a371154bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めえぷるもみじ＆Yuyu x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月1日 11時
