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「連れてってよ」



当然のような顔をして、あんまりにも失礼なことを言ってみる。

ていうかなんでシェスあんたはそんなバカみたいな顔してんだよ。
そう言いたかったが、やっとの事で我慢して、ジッとシャルを見つめた。



「いいでしょ?」

「いや、ここまでっていう約束でしょ」

「そうだっけ?」

「図々しいね、君」

「……えぇ、ひどーい。シェスどう思うー?」



そう言って腕を組むと、「ぇ、えぇ、えぇえ?」と頭の緩そうな声を出す。そんなシェスに、思いっきり舌打ちをしてみせた。



「つっかいものになんねぇなあ」

「漏れてる。心の声が、漏れてる」

「え、ごめん。わざと♡」



きゃっと両手を頬に当ててかわい子ぶってみると、シェスはわたしの頭を撫でる。はぁ?バカにしてんのか。と思わず言葉が出そうになったけれど、飲み込んだ。



「なんだイケメンかふざけんなゆるす!……まあ別に怒ってないんだどさ。でぇっ!」



じゃれ合いの途中に、どこかに行きそうなシャルを掴んだ手に力を入れると。彼は面倒臭そうに眉をひそめて「何?」と言った。



「こんなにか弱い女の子たちを置いてどこかに行くだなんて薄情すぎる。絶対3日で死ぬよ。シェスは半日。罪悪感が……」

「ないね」

「……んぐ」



被せていうこのシャルナークという男。はぁ、尊い。画面の前の夢見る少女たちは、わたしがものすごく平常心でいると思っているかもしれないけれど、それは大間違いである。ただ現実だと認めていないだけ。

そうではなくて。



「親はもういないの」

「それは俺も一緒」

「生きていくすべなんて知らないの」

「頑張って身につければ」

「……」

「それに、」



言葉が見つからなくなったわたしに、彼は言った。なんとなくだけれど、優しい目をしている。キュンとくるわこのやろう。



「ここにいたら誰かが助けてくれる。だから大丈夫だよ」



心配というか、面倒臭がっているという方が正しい気がする。今にも携帯を取り出しそうな雰囲気だ。わたしがひねくれているからそう思うのかわからないけれど、なんだかむしゃくしゃする。次のことをした動機は、それだけである。



「ちっ!」

「は?」

「え、」



上からわたし、シャル、シェス。ごめん、シェス!先に謝る!!

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Yuyu(プロフ) - ユーリYURIさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 99bbdf4997 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリYURI - 更新がんばってください!! (2020年3月1日 21時) (レス) id: 2a371154bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めえぷるもみじ&Yuyu x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年3月1日 11時

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