最高の兄貴【鬼滅の刃】

佰陸拾壱 ページ9

「饅頭もあるぞ！」







「わぁぁあ！」







「麩もあるぞ！」







「煉獄すげぇぇ！！」







「わはは！遠慮することはない！竈門少年も食べるといい！」







「あ、ありがとうございます！」







あそこあそこと店をまわり、杏寿郎が三日月の腹を満たす。

三日月がキラキラした簪(かんざし)や、色とりどりな着物を見るはずがない。杏寿郎は手玉を取るように知っている。

モッモッと頬を膨らませ、幸せそうに食べる姿は小動物のよう。







「ああもう、三日月、汚れてるぞ」







「んっ…」







「食べ終わったら、ちゃんと煉獄さんにお礼を言うんだぞ。それから手も拭いて…」







優しく口元に手拭いを当て、汚れを拭う。

ゴクッと喉を鳴らした三日月は大きな声でありがとう。杏寿郎も満足そうに頷いた。







すると、杏寿郎は裾の中へ手を入れ、何かを探るように三日月へ聞いた。







「三日月、髪をまとめる気はないか？」







「髪？あー……今は、いいかな。兄貴とお揃いにしてたいし。」







「む、そうか…」







「(煉獄さんから少し寂しい匂いが…もしかして煉獄さんは…」







「ならば今は諦めるとしよう！次は何を食べたいんだ？」







「兄上、さすがに食べてばかりでは三日月さんもお腹いっぱいになるかと…」







「しょっぱいの食いたい。甘いのあきた。」







「まだ食べれるんですか！！？」







「うむ！ではそこの定食屋にしよう！」







楽しんでる三日月と杏寿郎に、炭治郎は少し身を引いた。







「(……幸せそうな匂いがする」

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