最高の兄貴【鬼滅の刃】

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「ッ…うぅ……ヒッ、んぅぅ」







必死に堪えた涙を流す三日月。声を抑えようとするも、喉が鳴る。







「ムー？」







「ね、ねずこぉ…私、兄貴に酷いこと言ったぁあ！！！嫌われたぁあ！！！」







いつも自分と遊んでくれる優しい背中。けれど、今見えるのは子供のような小さな背中。

禰豆子は慰めるように頭を撫でる。







「たかはる、の、着物も穴あけてッ…兄貴に、も、知らねぇって、言って…！！」







「ムゥ！！ムームー！！」







「……仲直り、出来るのか？」







「ム！」







お互いに謝って、仲直りしよう。

禰豆子は笑顔で頷いた。







「…………兄貴、許してくれるかな。もう私の兄貴じゃ無かったら………ぅぅう！」







「ムームー！」







「…禰豆子は優しいな。子分にこんな姿見せるなんて、私はまだまだだ。」







三日月は目元を乱暴に擦ると、気合を入れるように頬を叩いて立ち上がる。







「よし、行ってくる！

私は兄貴の妹分だ！！私の兄貴は兄貴だけだ！！！」







「ムー！！」







一方、伊之助、炭治郎、善逸は。







「大丈夫！三日月も本気にしてないさ！だからお互いに謝ればいいんじゃないかな？」







「三日月ちゃんの着物、アオイさんに言えば縫い治してくれるだろうからね…今は仲直りする事を考えようか」







「…ウソツイテゴメンネ」







ショボくれた伊之助を必死に励ましていた。

落ち着いた伊之助はあれから落ち込みモード。思ってもないことを三日月に言って泣かせた罪悪感が重いのだ。







「それじゃあ、俺は三日月の様子も見てくるから…大丈夫か善逸？」







「うん、大丈夫だよ」







「分かった」







炭治郎は三日月の元へと向かった。先程の喧嘩した部屋に居ると思っていたが、そうではなかった。







「炭治郎！！兄貴どこだ！！！」







「わッ…三日月！目元が赤くなってるぞ！冷やそう！」







「いや！まずは兄貴と仲直りする！！私のことは後だ！！ありがとう！！」







「う、うん！？どういたしまして？」







すでに禰豆子によって活気を戻した三日月。炭治郎は一先ず「元気になって良かった」と安心していた。

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