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そして二人は三日月を連れてとある店へ。早く兄に会いたい三日月は渋々といった表情だ。
「おい店主、コイツの着物選んでやってくれェ。んで一回り大きめの同じ着物もあったら頼むわァ。」
「はぁ!?大きなお世話だ!要らねぇ!私は兄貴探しに行くからな!!」
「人の恩は受け取るのが礼儀だ。知れてよかったな。胡蝶めに言いつけてやろうか?怒られるんじゃないか?」
「!?グッ……ヴーッ…」
店を出ようとする三日月を止めたのは意外にも伊黒だ。不死川も思わず凝視した。
三日月は大人しく店主に奥へ連行され、たまに聞こえる断末魔のような叫びにザマァと思いながら耳を塞ぐ。
「で、お前はどーいうつもりなんだよ」
「決してコイツの為ではない。勘違いするな。この猪のせいで鬼殺隊に変な噂が流れないようにするためだ。
甘露寺に言うなよ。」
「口止めは甘露寺だけで良いのかァ?」
「…うるさいぞ。不死川こそ、どういう風の吹き回しだ?」
「……嫌がらせだァ」
「ふん、ならば俺も嫌がらせだ。散々馬鹿にされた仕返しと思え。普段からあぁいう格好ならば、キチッとした着物は違和感だろう。」
たった一人の
不死川と伊黒が何を思ったのか、"嫌がらせ"とこじつけて着物を贈る。
一体誰と重ねたのか、羨ましかったのか…
それはお互いにも誰にも知られぬまま蓋をする。
しばらくすると、着物でキメられた三日月が不機嫌になって出てくる。
そして爆笑する柱二人でさらに不機嫌になる。
「に、にあっ…ブフッ」
「フッ…」
「うぜェ!!しのぶのはもっと緩かったぞ!!柄もねぇしつまんねぇ!!」
「だってお客様、黙るとすごく儚げだったんですよ!無地なのが似合ってたんです!本当に!」
「過去形じゃねぇかァ!コイツが儚げだとォ?笑わすんじゃねェ!」
「狙っただろ店主。コイツに無地が似合わないのは初めから予想ついてたんじゃないのか?」
「腹立つ…!!」
不覚にも兄の話をする時は儚げさがあったなと思った不死川、伊黒。だが決して口に出さない。
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イチゴじゃむ(プロフ) - まゆゆさん» そ、そんな…!(*´-`*)テレルヤン…こちらこそ最後まで閲覧してくださりありがとうございます!!こちらもコメントをいただき幸せです!!(´;ω;`) (2021年3月29日 2時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 幸せな気分になれる作品ありがとうございます♪ (2021年3月28日 2時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
イチゴじゃむ(プロフ) - レレリさん» 分かります笑笑語彙力のない作品ですが、改めまして閲覧ありがとうございます!!(^ω^) (2020年3月25日 12時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
レレリ(プロフ) - イチゴじゃむさん» まぁ、そうですね!言うて私18以下でもめちゃくちゃ見てました!笑← (2020年3月24日 22時) (レス) id: 16e8e317f9 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴじゃむ(プロフ) - レレリさん» ムフフ(´・∀・`)まあ注意なので読んではいけないなんて書いてないのでねェ!!!!(((ありがとうございます!!!笑笑頑張らせていただきます!!! (2020年3月24日 20時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴじゃむ | 作成日時:2020年2月19日 1時