＃兄 ページ29
『ただいま〜』
「うぃーす」
靴を脱がず、そのまま磨き上げられた床をカツカツを音を鳴らし進む。
「おかえりなさいませ、お嬢様、お坊ちゃま」
この家を出るまで私達に付きっきりだった執事に先導され、目当ての部屋に向かった。
扉を押し開けると、赤と黒を基調とした部屋に、ぽつりとよく似た顔が佇んでいるのを見て、サーシャが声もかけずずかずかと乗り込んで行く。
「…！ヴォニー！サーシャ！」
「あ！クソ…」
私達に気付いた兄＿＿レフ＿＿はサーシャを目にも止めず、私の方につかつかと歩いてきて、私の脇に手を入れたかと思えばそのまま抱き上げ、子供の様に高い高いをしてからくるくると回った。
兄と会うといつもこうなり、小一時間は降ろして貰えないのでいつもはサーシャが止めてくれているのだが、今日は失敗した様だ。
『…兄様、下ろして』
「やだね、俺の可愛いヴォニー。今日こそはここに泊まって行ってもいいんだよ？」
『遠慮しておく。兄様と一緒にいるとおかしくなりそうだから』
「ふふ、それはどういう意味かな？」
『さあ？』
「下ろしてやれよ、流石に吸血鬼と言えど1時間それは疲れるぞ」
サーシャが下ろすのを促すと、兄様は素直に＿＿唇を尖らせていたが＿＿私を床に下ろしてくれた。
いつからこんなに素直になったんだか、はてさて、女でも出来たのだろうかと考える。
数秒後、このシスコン兄様に女が惚れる様子が想像出来ないのでやめた。
『ところで、リョーヴァ兄様。イーリャ兄様は？出かけてるの？』
「嗚呼、イーリャ？イーリャは今＿＿」
「……呼んだか？」
「うげ」
ガチャリと扉が開く音が響き、入ってきたのは次男のイーリャ＿＿イリヤ＿＿だ。
サーシャがイーリャを見るなりうげ、と漏らしているが、それを気にも止めずイーリャがこちらへ向かって歩いてくる。
『イーリャ兄様。久し振り』
「…嗚呼、久し振り。……身長、伸びたか？」
『ふふ、まさか』
「あはは、イーリャよく分かったね。0.4cm伸びてるよ！」
「……(引)」
「レフ。お前のそういう所、直した方がいいぞ」
「えー、なんでー？」
嗚呼、何だか懐かしい感じだ。
兄弟全員＿＿姉は行方不明だが＿＿で揃うのは何年ぶりだろうか。
記憶を遡り、20年振りだと解る。
「…それで、ヴォニー。今日は何しに来たんだい？」
『すっかり忘れてた。リョーヴァ兄様。家に、プレゼント贈るのもうやめて』
「ん？」
『プレゼント、贈らないで』
「ん？」
「帰ろう」
【切り抜き】ラグーザ家について語る双子【にじさんじ切り抜き】【双子切り抜き】→←【切り抜き】てぇてぇがつまった配信【にじさんじ切り抜き】【かなひあみ】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 707人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まぴ(プロフ) - 麦茶さん» 麦茶様、コメントありがとうございます！三つ全て書かせて頂きます…！！お話の数的に続編に行きそうなので（リクエスト分も）、そちらもよろしくお願いします😌 (12月30日 6時) (
レス) id: e40011710e (このIDを非表示/違反報告)
まぴ(プロフ) - milkurageさん» milkurage様、コメントありがとうございます！私もそこお気に入りなんです〜！喜んで頂けて嬉しいです！ (12月30日 6時) (レス) id: e40011710e (このIDを非表示/違反報告)
まぴ(プロフ) - バナナプリンさん» バナナプリン様、コメントありがとうございます！良かったです！いえいえそんな…！！これからもこの作品をよろしくお願いします😌 (12月30日 6時) (レス) id: e40011710e (このIDを非表示/違反報告)
milkurage(プロフ) - リクエストに応えていただきありがとうございます！めためたににやけております…。「何に！？どこに！？」のアワアワmcが脳内で簡単に想像できてしまい大変けしからんでした(最高です)これからも楽しく読ませていただきます！ありがとうございました！ (12月29日 21時) (レス) @page45 id: 54b470b5c5 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - クソ助かりました！！リク受付ありがとうございます！こまめなコメント返信も本当にお疲れ様です☕️すごい尊敬です🍌 (12月29日 14時) (レス) @page47 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まぴ | 作成日時：2023年11月30日 15時
