フェイクな恋【完】

代償 ページ8

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それから私はフェイク彼女になった。
時々、朝起こしに行くのもバイト
隆弘のスタジオにオシャレしていくのも
バイト。

初めて、バイトを始めて
最初にスタジオに足を踏み入れたとき
末吉くんやメンバーはすごく
驚いていた。けど、隆弘の「フェイク」の言葉に、すぐに納得していて
あぁ…それくらい、この人達にとって
フェイクの存在って当たり前なんだって
それに……隆弘が軽く放ったその一言は
私にとっては、悲しい言葉で…









日を重ねるごとに、好きは増して
苦しさと悲しさも増して
１ヶ月後、通帳に入ったその額に
私は金で飼われてるだけの身だと
痛感した。
“金の切れ目は縁の切れ目”
どこかで、耳にしたことがある
その言葉は、本来私側の立場で使うべき言葉かもしれない。けど…もしも、このバイトをやめるときは、隆弘との繋がりも切れてしまうことを意味してた。









苦しさの代償に与えられる対価は
さらに、私を苦しめるものにすぎない。









私は、通帳を増やし、隆弘から入る
お金を、見なくなった。
暫くして、都合が良いようにと隆弘が
隣の家をを借りてくれて
昼も夜も、彼が近くにいてくれることは
嬉しくも悲しくもあった。

一番近くて遠い人→←悲しい選択。

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