君が望む場所へ〜末吉side〜 ページ21
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Aがあの部屋を出て借りた
築何十年のアパート。
芸能人が住む豪華だったあのマンションの一室程度の家なのにAは、一言“落ち着く”と言った。
それは、彼女の性格や過去や心の豊かさを、一言で物語るもので。
この業界に入って俺は、彼女が出来たことだってあった。けど、実家に連れていく勇気なんてなかった。
きらびやかな人間は、きらびやかなな中でしか、輝き方を知らないから。
俺の家族や過去ごと受け入れてもらえる自信がなかったんだ。
でもな……Aならって思えるんだよ。
貴「それでね!……っ秀太?」
俺の腕のなかに引き込んで
強く抱き締めた。
末「少しだけ……」
貴「うん。」
拒否もせず、けど、抱き締め返してくれるわけでもなくAは俺を受け入れた。
芸能界に入るのはやめた、父親が居ない今意味がないと、俺におどけて話してたけど……本当は、会いたいんだろ?母親に。
Aと話をしてるとき、伝わるのはまだ見ぬ母親への興味と怒りと憧れ。
これが、どんな未来になるかなんて
俺にもわからないけど。
このまま腕に閉じ込めておきたいけど
俺にできることは、強がることとこれくくらいしかない。
末「A?……俺のMVに、出てくれないか?」
当然のように、Aは断った。
もう、興味ないからと。
けど……違うだろ?
半ば強引に局に連れていき、
プロのヘアメイクをしてもらう。
可愛い顔立ちだったAが、グッと大人の色気を放つ。
末「うん、キレイだ。」
その手を引いて、カメラの前に立てば
誰も、一般人であると疑わないだろう
でも、少しだけ、俺はズルかった。
カメラの前と言えど、俺に向けられてるこの笑顔だけは、他のだれにも見せたくないと思ってしまうのだから。
MVを解禁して、俺の想像をはるかに上回る注目を集めた。
つまり、西島にバレるのだって時間の問題だった。
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ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませていただきました。続きが気になって仕方がありません。にっしーと幸せになって欲しいです。続き楽しみに待ってます。 (2017年12月16日 19時) (レス) id: b00ced6101 (このIDを非表示/違反報告)
えりん(プロフ) - にっしーがいいです!! (2017年12月16日 0時) (レス) id: e0fea040d6 (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - にっしーがいいです! (2017年12月16日 0時) (レス) id: 6cae86dad8 (このIDを非表示/違反報告)
紀浚(プロフ) - しゅうたーー!! (2017年12月16日 0時) (レス) id: ed6cd04c94 (このIDを非表示/違反報告)
ちほ(プロフ) - にっしーがいいです!! (2017年12月4日 16時) (レス) id: 6faf8cc718 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岩高 | 作成日時:2017年8月16日 1時