【短編集】Forme d'amour【QK】

青×赤/kwkm ページ25

宇海様リクエストです！

お待たせしました………！！


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ミンミンと絶え間なく鳴り響く蝉の声。





風に吹かれて小さな音を鳴らす風鈴。





縁側に置かれた瑞々しく輝く西瓜に、2つの人影。





『あ"つ"い"！！！！！！！！！！！！』





「うるさい」





『これがまぁまぁ通常運転なんだわ。今日の気温何度？マジ暑い』





「そういえばそうやったな。36℃やって」





『体温かよ』





足を投げ出して溶ける私と、そんな私を呆れた瞳で見つめる拓朗。





コイツは一応私の幼馴染である。





いつもだったら東京にいるが、久しぶりにこちらに帰ってきたらしい。





帰ってくんな。





『拓朗何しに来たの』





「遊びに来ただけ」





『帰れ』





ほんとに何しに来たんだよ。交通代勿体ない。





「お前が元気でやっとるか見に来た」





『絶対嘘でウケる』





「Aのいつメンはどうしたん」





『家が近かった子は結婚した。いつも一緒に遊んでた子は転職中』





西瓜を手に取って、1口頬張る。





『拓朗西瓜に塩かける派だっけ』





「かける派」





『それマジで信じらんない。絶対普通に食べた方が美味しいよ』





西瓜の種を飛ばす。





私達の向かい側には向日葵の黄色。





『あーあ、青春したいなぁ』





「………俺らもう25やで」





『私女子校だったしあんたも男子校だったでしょ？学生時代に青春できた？できるわけないね』





「まぁ俺にはクイズがあったし」





『………そうね、』





チリン、と風鈴が鳴った。





私は幼馴染に似てずる賢いので、こういうことだけ思いついてしまうのです。





『ね、拓朗』





『アオハルしようよ、2人で』





拓朗を見つめると、呆れた顔で笑っていた。





「………しゃーないなぁ、行くで」





私の腕を引いて立ち上がった。





向かう先には白い自転車。





また、風鈴が鳴った。



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