ページ ページ13
.
訪れる沈黙。
え、私なんか変なこと言いましたかね。
「………ねぇ」
『仕事変わりませんよ』
「そんなこと言わねぇって!!」
『で、なんですか?』
「あのさ、俺ってあんま甘い物食べないじゃん?」
『まぁ誕生日ケーキにプロテインかけてますしね』
あれは伝説だった。
伊沢さんと須貝さんの誕生日ケーキにプロテインかかってたんだから。
ちなみにかけたのは山本くんとファルコンさんらしい。
.
「俺だったら、勝手にプリン食べたりしないけど?」
.
『………は、』
伊沢さんは無意識でこんなことを言う人じゃない。
私もそこまで鈍感じゃない。
「俺、Aのことずっと好きだったの」
『ちょ、待って、あの』
ねぇ、と不敵に笑う伊沢さん。
「だからさ、」
.
____俺にしない?
.
伊沢さんはきっとそう言ったんだろう。
ただ、声が聞こえなかった。
耳に感じる人の手の温かさ。
伊沢さんの視線が私から外れた。
それと同時に耳から温かさがなくなり、後ろから軽く抱き締められた。
「………流石に伊沢さんでも、これはダメです」
聞き慣れた声だった。
大好きな声だった。
「………真緒は俺のなんで、」
『………私あんたの物になった覚えなんてないし……』
こうちゃん。絶対来ると思った。
「お、熱いねぇ。じゃあ俺は残業用の食料調達でもしてくるわ」
私の目の前に座っていた伊沢さんが、立ち上がって外へ出ていった。
.
204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宇海 - 朝陽さん、勉強も更新も、頑張ってください!土曜日を楽しみに待っています。 (2021年3月4日 9時) (レス) id: 46e3728793 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - 宇海さん» 私の影響で執筆を始めてくれる方がいらっしゃるとは光栄です………!!私なんかでよろしければアドバイスします!参考にするのはいいですけど、内容が似すぎるとパクリ疑惑が浮上するのでそこだけお気をつけて!! (2021年2月22日 17時) (レス) id: 5cd266a065 (このIDを非表示/違反報告)
宇海 - 宇海さん» ありがとうございます!とても面白かったです!朝陽さんの小説はとても自分に合っていて読みやすいです。あと、実は朝陽さんの影響で私も小説書き始めたのですが、参考にさせてもらっていいですか?ぜひ覗きに来て、アドバイスください!(Umi_砂糖) (2021年2月22日 9時) (レス) id: da71833246 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - 宇海さん» Kwkmさんお待たせしました………!投稿したので是非♪ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 5cd266a065 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - ちひろさん» はじめまして!コメントありがとうございます♪tmrさんhappyendですね、書かせていただきます!お知らせの通りですので、よろしくお願いします。 (2021年2月9日 20時) (レス) id: 5cd266a065 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朝陽 | 作成日時:2021年1月24日 21時