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「福良さん」
夜、帰ろうとした時に伊沢に呼び止められた。
「どうしたの」
「ちょっと飲みません？」
伊沢が2本缶ビールを手に、俺を手招きした。
「………いいよ」
今日の夜用事がある訳でもないし。今日くらい付き合ってやるか。
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……と、思っていたがやっぱり帰っておけば良かった。
「俺、Aに告白します」
「………え」
「俺だけじゃない。川上も山本も。そろそろ決着つけるって」
「………そう、」
伊沢が真剣な顔で訊いてきた。
「福良さんは、いいんすか」
ぎゅっと固く手を握りしめた。
俺だって言いたいに決まってる。
ただ、お前達みたいな人生勝ち組王子に勝てるとは思えなくて。
「………いいよ、別に。俺はAが幸せならそれでいいから」
「負け王子ってわけですか」
「王子でもないけどね」
あぁ、変なことを言ってしまうかもしれない。
伊沢が缶ビールを持ってきてくれてよかった。
今日だけは酔いのせいにしてしまおう。
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翌日。
伊沢と山本が物凄くソワソワしていた。
気持ちはわかるけど。
川上は相変わらず言い合いをしている。
余裕そうで、川上さん。
「なぁA」
『あ？なに拓朗』
「俺さ、お前のこと好きやわ」
『………………………は？』
しんっとオフィス内が静まり返る。
聞こえるのはPCの作動音だけ。
「おい待てよ川上抜け駆けしてんじゃねぇぞ！！」
少し怒った様子で川上の元へ歩いていく伊沢。
山本もなにか言いたそうにしている。
ちょっと3人ともAのこと考えてあげなよ。
顔真っ赤だよ。可愛いんだからもう。
川上と伊沢、そして山本がAに詰め寄る。
唐突に好きだと3人から伝えられて、Aは今どれだけ混乱しているだろう。
俺だったら………一瞬で逃げ出すな。
よく耐えられてると思うよ。
ごめんね、助けてはあげられない。
だって俺も王子側なんだもん。
でも俺は撤退を選んだ。
そんな俺には見守る権利しかないから。
腕を組んで、目を閉じた。
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さぁ、姫はどの王子を選ぶのかな。
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朝陽(プロフ) - ちひろさん» ありがとうございます♪tmrさん続編の方で書かせていただく予定ですので、気長にお待ちください………！ (2021年2月10日 6時) (
レス) id: 5cd266a065 (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめましていつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんをお願いしてもいいですか？できたらhappy endでお願いします。これからも頑張ってください。 (2021年2月10日 0時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - ときさん» はじめまして！感想ありがとうございます………♪私の作品できゅんとしていただけて嬉しい限りです！続編ありますのでそちらも是非………♪ (2021年1月30日 10時) (レス) id: 5cd266a065 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - *ゆ う*さん» はじめまして！感想ありがとうございます………♪リクエストなんでもどうぞ！ (2021年1月30日 10時) (レス) id: 5cd266a065 (このIDを非表示/違反報告)
とき - はじめまして…!!お話が全て素敵すぎたが為にｺﾒﾝﾄ欄に来たものの､何を書いたらいいのか困っている状況です(´¶` 前述した通り､どのお話も本当に素敵できゅんとしました…*文字数の関係で感想を書けないのですが…(; ; 続編楽しみにしております…!!*♪ (2021年1月25日 0時) (レス) id: 43e2bb2fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝陽 | 作成日時：2021年1月12日 23時
