魔王ですけどなにか？２【歌い手】

想定外 ページ28

坂田side



luz「もうすぐ来るで！」




luzくんがそういって部屋に入ってきたのが数十分前

どうやら彼のもうすぐ、とは十分以上のことを言うらしい…

たぶん彼は遅刻魔だ。


俺たちは今日も美味しい朝ごはんを食べ

昼にはつくであろう王子を歓迎？する準備をしている


もちろん指揮をとってるのはAちゃんだ

魔王が率先し人間の王子を出迎えようとしてるのは……

なんというか……

普通じゃない


いや、Aちゃんに普通を求めるのがもはや間違いなんだ

そういやそうだった。


待ちくたびれたAちゃんによってさらに部屋が飾られたころ

ようやく到着を知らせる(本当の)(信憑性のある)報告が入り、部屋を移動した

その途中、Aちゃんが半眼でluzくんを見ていたからきっと彼にはなんらかの悪口が飛ぶだろう




A「luzくん……あなたは何をしていたの……？」


luz「いわれた通り、ニンゲンの警護！城の前まで来たから先に来たんよ！」


A「へぇ……ちなみに、城の前ってどれくらいのこと…」


luz「え？えーっと……500mぐらい？」




首をかしげながらそういうluzくん

それを見たAちゃんは何かを悟ったような顔をして、玉座へ歩き出した

後ろで控えていたセンラが恭しくAちゃんを迎える

アイツなんで片方だけ髪ながいねん

持ち手か？持ち手なんか？

引っ張るとなにか起きるんか？？




うらた「坂田？どうしたんだ？」


坂田「……いや、取っ手が…」


うらた「は？取っ手？」


センラ「いっときますけど。センラの髪引っぱっても、なにも起きませんよ？」


A「なにか起きるとすればセンラくんがキレるくらいね」




とてもうるさい。と付け足すAちゃん

玉座に腰掛け、足を組んで頬杖をついた彼女はまさに魔王だ

どうやら魔王スイッチが入ったらしい


さて、俺らはどうするかというと

とりあえず横に並んでみた

なんかこんな感じに並んで待ち構えてるイメージあったから。


こちらの準備が整ったとき

タイミングよく扉が古めかしい音をたてゆっくりと開いた

あの古めかしい音はオプションらしい。


緊張した面持ちで部屋に入ってきた二人の人間

それと同時に部屋の暗闇からまーしぃ、nqrseが姿を現した


首の後ろ掻きながら歩くまーしぃ

そんな彼の視線が入ってきた人間の一人で止まった

そして俺らもまた、目を見開いた



志麻「96猫！？」


坂田「あまちゃん！？」

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