魔王ですけどなにか？２【歌い手】

魔王がそれをいうか ページ21

うらたぬきside


ついに姿を現した大魔王

大魔王は坂田に聞いていた魔王の姿に近かった

俺たちを優に超す身長

禍々しオーラ

射殺しそうな紅い双眼

部屋に入ってきたとき、身がすくんだのは俺だけじゃないはず


そんな大魔王が今

俺たちと同じこたつでぬくんでいる

それも人の成りで。


はじめはその姿のまま入ろうとしてたけど

Aに一喝され、渋々姿を変えた

威厳が……とか嘆いていたけどまぁしょうがないよね


姿を変えた大魔王はそれはもうかっこよかった

すらりと細い手足に色の白い肌

どことなくluzと似ている

人間でいうと50代くらいの、いわゆるイケおじだ

紅い双眼はそのままに髪はAとは違う金髪

長い前髪をかき上げるとそのままキープされた


そんな人？がこたつに入ってるもんだから……うん

不思議だね。




坂田「うらさん？遠い目してどうしたん？」


うらた「や、別に。世の中不思議だなって思って」


坂田「あぁ、そう？」




……なにも思わないのか




「それで？君たちはなんでAちゃんといるんだね。もしやうちの子に……」


A「パ〜パ〜？このニンゲンは私の友達なの！変な疑惑かけないでよ！」


センラ「ありもしない疑惑かけたのAですけどね」


A「うっさい。勝手に勘違いしたんじゃん」


志麻「や、『探さないでください』は家出の時の常套句なんだよな……」


luz「もう大変やったんよ？ほんとに。大魔王が……」


「あ、ちょ、luzくん、黙ろうか、ね？ね？？なんでもあげるから」


luz「え、ほんま？じゃあAを……」


nqrse「大騒ぎして泣いちゃったんだよね」


「あ、nqrseくん……」




せっかくluzを黙らせたのに、その甲斐むなしくnqrseくんがぽろっと言ってしまった

肩を落として落ち込む大魔王

仕舞には少し頬を膨らませて拗ねている


魔王も大魔王もこの調子なんて……

平和すぎないか？




「や、うん、友達ならいいんだ……友達なら……」


A「だから友達だって！」


センラ「ところでどこで知り合ったん？引きこもりのAちゃんとニンゲンと会うなんて……」


A「失礼な！外に出してくれないのはどこの誰よ！彼らはここに来たの！」




Aがそういうと顔を見合わせ始めた魔物のみなさん

予想外だったのだろうか……




A「聞いて驚け、このニンゲンは勇者だ！」

あほの子→←みんな過保護

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