浅沼家の日常7

・ ページ3

浅沼side

俺の実家で一気に新婚旅行先が決まり、それからは必死に予定を合わせた


Aはこの時ちょうど【四皇の宴】の収録真っ最中で、しかも産休のための前撮りをしていたからスケジュールはぎっしり


それでも島さんが無理のないようなペースで予定を立ててくれていたから休みもゲットすることが出来た


そして今。京都にいる


『京都…来ちゃった』


浅「Aは、そんなに来たことないの？」


『えぇ。撮影で来たことはあるけど、日帰りとかで観光はそんなにしたことないの』


浅「なるほどね。さすが人気声優。でも今回は俺の奥さんとして観光しよう」


『奥さん…いい響きね』


自然と口から出た「奥さん」というワード


言われた方も照れてるけど言った方もなかなか恥ずかしい


『晋さん、耳が赤くなってるﾌﾌｯ』


浅「あんまり見ないで。結構照れてるから」


『え〜、どうしようかなぁ』


浅「ほらほら前見ないと転ぶよ」


からかうように顔を覗き込まれたが、どうにか誤魔化して手を繋ぐ


『ﾌﾌｯ…それにしても晴れてよかった。旅館まで歩くのも問題なさそう』


今は梅雨入り直前


予報ではこの一週間は晴れるらしい


2泊3日の短い旅行だけど、行きたいところには行けそうだな


『あ、見えてきた。綺麗な旅館ね』


浅「姉さんがあの後すぐに予約してくれたみたいで」


『お義母さん達にもお土産買っていかなくちゃね。いつもお世話になっているし』


浅「そうだな。よし、チェックインしよう。俺がやってくるからAはここで座ってて」


妊娠5ヶ月の妊婦さんにしては大きいお腹


2人も入っていたらそうなるのか…


仲居「2名様で御予約の浅沼様ですね。ご案内致します。」


浅「行こうか」


『えぇ』


2人分の荷物を持ち移動する


こんな時Aは「自分も持つ」と絶対に譲らない


今回は小さめのバッグを持つようにお願いして解決した


本人が言うには少しぐらいの荷物なら大丈夫ということだが…


俺が過保護すぎるんだよなぁ。まぁこっちも譲る気は無いけど


こんなことを考えているうちに予約していた部屋に到着した


仲居「お夕飯の時間は如何致しましょうか？」


浅「7時頃でお願いします」


かしこまりました、と仲居さんが部屋を離れるとAは部屋を探索し始めた


『ひろーい。わぁ！露天風呂も綺麗！』


浅「お風呂はこっちで入ろう。夕飯までどうする？外回ってみる？」


『うん！行きたいわ！』


浅「了解」

・→←新婚旅行

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す