浅沼家の日常

出会い ページ31

この話は突然始まった


大智「そういえば父さんと母さんっていつ出会ったの？」


秀斗「確かに。4歳も歳離れてるのにな。」


学校から出された宿題で家族のことを作文にしてくるように言われた2人。


書いている途中にふと疑問に思ったのだろう。


『出会い？』


大智「そう。だって父さんと母さんが結婚した時って父さんはまだ声優の仕事してなかったらしいじゃん」


『あぁ、そういう事ね。』


浅「俺が脚本と演出してた舞台にAが出たことがあるんだよ。」


秀斗「え？！母さん舞台に出たことあるの？？」


『元々は劇団にいたからね。今は声のお仕事だけしかしていないけれど。』


大智「それっていつの舞台？？」


『えーっと、確か私が20歳の時だったかしら。で、お付き合いし始めたのもその時ね。』


浅「で、4年間付き合た後に大智と秀斗がいることが分かったんだよな。」



秀斗「もしかしてデキ婚ってやつ？」


『違うわ。晋さんにプロポーズされた直後に妊娠がわかったのよ。しかも、沖縄に報告に行った時にね。』


浅「あの時は本当に凄かったよな。お義父さんとお義兄さんの騒ぎ用(笑)」


『お母さんは冷静だったのにね(笑)それに、仕事の時に報告したら大塚さんや若本さん達もお祝いしてくれたのよ。
「娘を嫁に出す気分だ」ってまで言われたもの。』


秀斗「母さん、学生時代から仕事してたもんな」


大智「にしても、ビッグネームすぎるだろ。父さんプレッシャーだったんじゃないの？」


浅「言うまでもなくな。Aは声優界のお姫様みたいなもんだったからな。」


『それは言い過ぎよ。ちょっと他よりも可愛がって貰ってただけなんだから。』


浅「可愛がり方が尋常じゃなかったぜ、あれは。」


大智秀斗「「...お疲れ様。父さん。」」


秀斗「まぁ、でも、父さんが色々なプレッシャーに打ち勝って母さんも頑張ったから今の俺達がいるんだよな」


『...で、いい作文は書けそうなの？』


大智「もちろん！作文用紙4枚分なんて簡単に書ける！」


秀斗「今度の参観日に発表だから見に来てくれよな」


浅「おっ、それじゃあ休みを取っとかないとな！」


『私も鈴村さんに相談して休みをもぎ取ってくるわね』





今日も浅沼家は平和である。

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