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中学、高校と仲の良かった面子で集まり思い出話をする同級生たちの輪に入り込む勇気もなく、中学時代仲の良かった友人たちを探すために歩き回る気力もなかったA
周囲では自分のことを噂する声がひそひそと聞こえているものの、一向に近寄ってくる気配はない
そして最近表に出る仕事が増えたからだろうと確信して、こちらから話しかける気もなかった
また、慣れない振袖姿と高い草履に疲れ切っていたため早々に帰ることを決め、携帯電話を取り出すためにバッグを開ける
『えっと、ケータイは…っと』
「帰る前に俺にもお祝いさせてほしいな」
『え…?
晋さん??』
聞き覚えのありすぎる声にハッと顔を上げると、そこにはスーツ姿の浅沼の姿があった
新成人たちと同じくらいの年のはずなのに、謎に大人びた雰囲気を持つイケメンの登場に周囲はどよめく
さらにそのイケメンは手に綺麗な花束を持っている。それも色味はAの着る白ベースに鶴の柄の振袖と完全一致
絶対今年成人を迎えた彼女に花束を渡しに来た年上彼氏だ、とその場にいた面々は勘付く
Aに密かに恋をし、話しかける機会を伺っていた男たちは持っていたハンカチを噛み締めそうになった
『な、んでここに?』
そんな周囲には全く気づかないA
それどころか頭の中は、ここにいるはずのない相手の登場に疑問符でいっぱいだった
浅「んー?Aの綺麗な振袖姿見たかったし、ご両親とお義兄さまたちに挨拶しておきたいと思って。
俺が将来その振袖を留袖にする鶴です、ってね」
まるでプロポーズともとれる言葉に、キャーという黄色い声が辺りを支配する
『な、な……』
浅「ま、プロポーズはちゃんとAが俺と結婚することを考えてくれるようになったときにするから、今日は花束だけ受け取ってよ」
『…アリガトウゴザイマス』
まさに拍手喝采
ここにきてようやく自分たちが周囲に注目されていることに気が付いたA
もらった花束に顔をうずめて真っ赤になった顔を隠した
ただ、同じく真っ赤に染まった耳は全く隠せず、隣で見ていた浅沼はニヤニヤが止まらなかったとか
・
長兄「お、結構遅かったな___」
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ねこ吉(プロフ) - ラララちゃんですよ〜さん» そうでしたか!ソリス君のことをうっかり失念しておりました…。私の理解力不足で申し訳ありません。お返事ありがとうございました。 (2022年9月10日 22時) (レス) @page38 id: 6a311ae5ac (このIDを非表示/違反報告)
ラララちゃんですよ〜(プロフ) - ねこ吉さん» ご質問ありがとうございます。「サヨナラだけが人生か??」で新たに家族になったゴールデンレトリバーのソリス君のことです。ページ38で三男としていたので、そのまま三男と書いていました。分かりにくかったですよね。申し訳ありません。今後もよろしくお願い致します (2022年9月10日 20時) (レス) id: 11ce528f1b (このIDを非表示/違反報告)
ねこ吉(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております。質問なのですが、本日更新されたお話の三男くんとは、誰のことでしょうか?気になったのでコメントさせていただきました。これからも更新頑張って下さい! (2022年9月10日 16時) (レス) @page46 id: 6a311ae5ac (このIDを非表示/違反報告)
ラララちゃんですよ〜(プロフ) - 青魔道士さん» 返信が遅くなって申し訳ないです🙏リクエスト承知致しました!しばらくお待ちください! (2022年3月11日 19時) (レス) id: 11ce528f1b (このIDを非表示/違反報告)
青魔道士 - リクエストよろしいでしょうか?速水奨さんとの絡みがみたいです!!あと出来れば双子くんとの絡みもみたいです!! (2022年3月7日 20時) (レス) id: 9d0898b86e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラララちゃんですよ〜 | 作成日時:2021年12月31日 14時