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あなたside
最後の仕事として与えられていた組織の任務が早く終わり、たまたま1人でアジトに足を運んだ。
この時間ならアジトには誰もいないはず。
そう踏んでいたのに、奥から出てきたのは深く帽子をかぶる銀髪。
「…いたの」
ジ「たまたまだ」
なんとも言えない沈黙が流れ、私はその場に立ち尽くした。
ジ「来い」
久しぶりに聞いた彼の少し柔らかい声に安堵し、近付いた。
ソファにどかっと座るジンの前に立つと横に座るよう顎でクイっと促される。
私の私情について何も聞いてこないのは彼の優しさか。
私がソファの隅に軽く腰掛けると、片手で腰を包み込まれた。
ジ「たまには顔を出せ」
「寂しいの?」
場が悪そうにそっぽを向いたジンの膝に手をかけ、距離を詰めた。
ジ「おい」
ギロリと目を細めて睨まれても怖くない。
「ご不満かしら」
ジ「生意気なガキだな」
「そのガキに手を出したあなたは犯罪者ね」
ジ「ふっ…そんなの元からだろ」
機嫌よさそうにジンがタバコを取り出し、私の方に差し出した。
「火持ってないの」
ジ「…前に渡したやつはどうした」
「忘れちゃった。今日は誰もいないと思って」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年5月1日 13時) (レス) @page15 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 続き読みたいです! (2022年6月1日 0時) (レス) @page15 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美 | 作成日時:2020年6月22日 11時