then ページ30
アジトであった建物から離れ、警察の守備範囲に入らない瓦礫の裏へと降ろされた。
私の意識があるのを確認するかのように、じっと見つめた後。
うめいた私を見ると立ち去ろうとするジンの袖をなんとか掴む。
振り払うことも容易な力のはずだったがジンは立ち止まった。
ジ「まさかお前が密告するとはな」
「ジン…どこに？」
ジ「さぁな」
いつもと変わらずぶっきらぼうにそう言いのけると私の髪を撫でた。
裏切り者の私に対する態度では無かった。
酸素を取り戻しつつある身体を動かし、壁にもたれるようにして座る。
「…っどうして私を殺さないの？」
ジ「何でだろうな」
「組織に殺されるならジンがいい」
ジ「お前は俺に囚われすぎた」
ジンの口から続く言葉に耳を傾ける。
「私はあなたを…ジンを恨んでた」
ジ「あぁ…知ってる」
「っ…だから最後まであなたを憎み通したいのにっ！どうして…どうして私を生かすの？」
ジ「…惚れた女を手にかける理由なんてあるか？」
一瞬だけ笑ったように見えたジンは私に触れるだけのキスをした。
ジ「じゃあな」
「ジン…今までありがとうごめんね」
振り返らずにヒラリと手をあげたジンは漆黒の闇に紛れていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美(プロフ) - りんりんさん» コメントありがとうございます！そんな事言っていただけるなんて嬉しい限りです笑 (2020年6月29日 18時) (
レス) id: b00250d0ea (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - お話読ませていただいています！とても面白いです。応援しています！ (2020年6月29日 18時) (レス) id: b99d983c73 (このIDを非表示/違反報告)
美(プロフ) - 休校さん» コメントありがとうございます！本当に励みになります！ (2020年6月28日 13時) (レス) id: b00250d0ea (このIDを非表示/違反報告)
休校 - 一話から読ませていただきました！設定から何から、すごく好きです笑 応援しております！更新頑張ってください (2020年6月27日 13時) (レス) id: e4ab2b5df5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美 | 作成日時：2020年6月22日 11時
