・ ページ16
〜あなたside〜
「お!Aと小野寺!きたきた!」
お手洗いから戻ると、すっかりくっつけられた机の上に教科書やノートが広げられている。
根岸くんに手招きされ、私は根岸くんと南くんのあいだに、澪ちゃんは土森くんの隣に座った。
「なんか誰もおらん教室って変な感じやな」
と土森くん。
根「放課後教室残るん初めてやな、俺ら」
南「フィイ」
澪「私も。変な感じだね」
根「そういやさ、昨日のハート♡キョーコ見た人!」
土「あ、俺見たで。」
根「マジ?!?俺めっちゃキョーコちゃん好きでさあ」
話している内どんどん逸れてきてしまって、今やもうハート♡キョーコの熱愛報道の話になっている。誰もシャーペンを持っていない。
根岸くんと土森くんが楽しそうに駄弁る様子を南くんが寂しそうに眺めていた。
「ね、ねえ…!そろそろ、ペン持とうよ」
土「あ、せやな」
真面目な澪ちゃんすらも熱愛報道に耳を傾けていたので私が言うほかなかった。
みんなすぐにペンを持ってくれる。
根「なあA、ここ分かれへん」
ペンの先っちょ部分で腕をつつかれる。
幸運なことに、私でも頑張れば解けるような問題だったので、ノートの端切れに書いて渡した。
根「ありがとうA。」
そう言って笑顔をこちらに向けた。根岸くんは男の子のくせに笑顔がとっても可愛い。悔しいけれど。どうしても恥ずかしくなって、目を逸らしてしまう。
根「また教えてや」
「う、うん…」
〜土森side〜
Aの目はいつでも俺やない、根岸を見てた。
惨めで仕方ないし、この緩やかに流れる時間が決して楽しくはなかった。
俺の隣に座っている小野寺っていう奴は勉強ができるから教えることもない。
なんなんやろ。主人公を演じてるだけで、ほんまはむちゃくちゃサブキャラやった、俺って。
俺の物語の中でさえ主人公になりきれない、最悪やな、ほんま。笑けてくる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この小説、名前を自由に変えられるんですよ。
それで遊びで「おきんたまでかお」に設定してみたら、めっちゃ面白くて。
ぜひやってみてほしいです。特に土森だけの話とか面白すぎて爆発します
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飛燕 - 読ませていただきました!関東子の話すごく面白いし根岸くんの話もキュンキュンする場面が多くてシチュエーション想像しただけでもうたまらないです…!!!ぜひとも続き読んでみたいです! (2021年9月9日 7時) (レス) id: 96bccf4e47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2021年1月10日 0時