『jarujarutower』 (ページ1)

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いや重いよ。ページ1

関東子です。せきとうこと読みます。
芸人をやっています。23歳、女です。

先日、おもしろい若手芸人発掘、みたいな新年恒例の番組に出演させて頂きましたところ、何故かウケてしまい、質量の軽かったスケジュール帳がけっこう重くなってしまいまして。

困っているのです。

来年になったら消えてしまうかも、とか。
トークが苦手なのにどうしよう、とか。

そういう悩みではないのです。寧ろ、消えた方が救いになるかもしれない。トークも苦手で干された方が、私にとっては、救いになるかもしれない。

自己紹介の時点では明かしませんでしたが、私の兄も同じく芸人をやっています。
パワージャングルというコンビ名で、相方は森山くんと言います。兄の持論では、森山くんはとても面白いと。

だったら、早く売れてくれてもいいのになあ。と、思いますよ。兄の漫才に対する気持ちはとても大きいです。兄はツッコミ担当ですが、素人目でもわかる兄のツッコミ、常軌を逸しています。

誰よりも面白いと思うんです。でもそんなことを兄の前でこぼすと、「面白いかどうかは客が決める」というのです。立派だと思いますよね？

でも、売れない。

家に帰って兄のスケジュール帳と私のを両手に持つと、質量の差に涙が出そうになりました。あまりいい趣味ではないけれど、中を覗くと本当に空っぽ。予定が埋まっていないんです。

お兄ちゃんは笑わせるために必死なのに…でも現実はそう甘くはなくて。

そう信じていたのに、いとも簡単に売れてしまいそうな自分がなんだか憎い。結局は運じゃないか、そう叫びたくなりました。

兄にはまだ、スケジュール帳が重くなったことを秘密にしています。冊子を押し入れの奥にしまい込んでいます。きっとショックを受けるはずですよ。あんなのを見たら。

願わくばテレビも捨ててほしいなあ。

いや軽いよ。