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「51.実況席」 ページ2

数時間後


一人、実況会場の席に腰掛け夜の部の開幕を待つ



「ボーダーの皆さんこんばんは、海老名隊オペレーター武富桜子です。初日夜の部を実況していきます!本日の解説者は…」



…本当は三雲君が会場入りする前に話をする予定だったが無駄話が過ぎ、気付けば夜の部まで20分を切ってしまい



泣く泣くメッセージで《いよいよ玉狛第二の第1戦だね!今日は解説席で悔しいと思うけど夜の部の解説、楽しみにしてます!》の一言しか打てなかったのが悔やまれる



『返事来てるかな…』



三雲君とのトーク画面を覗いたが、つい数分前のメッセージに既読がつくはずもなく、返事は無かった



コレばかりは私のミスだ、予想外の失態で頭を抱えつつも時間早いものでB級ランク戦の説明が終わり、各隊員の転送が始まった



「さあ吉里隊、間宮隊、玉狛第二の転送完了!すでに戦いは始まっている!」



「玉狛第二は数の上で不利ですが三雲隊長はどう思われますか?」



持ち前のトーク力で桜子ちゃんがバトンを三雲君へ渡す



「あ…大丈夫だと思います」




その一言に"らしさ"を感じた直後、モニターに映し出された空閑君が動きを見せた




「は、早い!?吉里隊があっという間に全滅!?玉狛第二の空閑隊員!B級下位の動きじゃないぞ!?」




観衆がどよめき出すのを耳にし、自分のことの様に嬉しく感じる



そうして場面は変わり、3人固まる間宮隊が映し出された



「これは待ちっすね、寄ってきた所を全員の弾で削り倒す感じゃないすか」



的確に間宮隊の特徴を抑え解説するのは、三雲君と同じく解説者に抜擢された佐鳥



「間宮隊は全員射手(シューター)3人同時の両攻撃(フルアタック)は決まれば超強力です!これは迂闊に手が出せないか…!?」



「いやあどうかな〜?」



通常、膠着状態を崩すのはそう楽ではないのが、玉狛第二に関してはその括りに属さない


狙撃手(スナイパー)が放った弾は間宮隊が空閑君を待ち構える建物の射線全ての住宅を崩壊させた



その威力は音こそ入らない解説席にも異常だと認識させる程の規格外のトリオン量を物語っている



「どああ!!」
「出たあ!!」



驚きと歓声入り混じる中、衝撃に巻き込まれた間宮隊を空閑君が首を掻っ切ることによってROUND1は終了を迎えた




「衝撃の決着!!雨取隊員がアイビスで障害物を粉砕!!というか威力がおかしいぞ!?」




「生存点含め8得点!?強い、強いぞこのチーム!!」

「52.デビュー」→←「50.誘い」



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作者名:しら | 作成日時:2023年11月5日 17時

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