200話 ページ16
金城「…ドア側面の…隙間ゴムだな。」
前田「あ、金城もそれに気づいたんだね」
上原「隙間ゴム…？」
波多乃「スライド式の扉によくついてるアレか。
それがどうかしたか？」
金城「隙間ゴムに少し切り傷があったんだ。
…ちょうど鍵と同じ高さのところに。」
友利「あぁなるほどね、
鍵が閉まってたら無理でもその方法なら
隙間から刃物を無理やり通してなんとか
紐を切る事が出来れば犯人はトイレに入れる。」
A「えぇ、ですがここでまた疑問が生まれます。
被害者が事件当時1人なら
その方法で扉を閉めたのは被害者でしょう。
…何故そんなに回りくどいことを…？」
平良「鍵が閉まらなかった…とか？」
前田「いや、鍵は壊れてなかった。
でも…ならなんで…」
水岬「………」
皆各それぞれ考えるが
これに関してもまた何も浮かばなく困り果てる
金城「…いや、この際"何故"とかは
考えない方がいいかもしれない。
…少なくともゴムの切り傷が証拠となっている。」
A「…そうですね、今は"何故そうしたか"よりも
"どうやってそうしたか"を優先しましょう。」
上原「ふむ、なら私もひとつ疑問があるのだが…
その鍵を固定した紐の出処は？」
確かにそうだ。武器庫にあったのは…
牧「…ブラックジャックとかについてるチェーンは…
だめだよねあんなの切れるわけないし…」
流石に鉄の鎖を外部からの力で
切るのは無理がある。
木宮「…私、心当たりあるよ。」
祷「え！？本当ですか！？」
友利「ちょ、なんなのそれ教えなさいよ！！」
木宮「…ねぇ花ヶ丘、私実はあんたに最初から
目星つけてたのよ。」
そう言うと場がシーンと静まり返った
A「…え？」
平良「ちょ、ちょっとまってよ！？
なんでそこでAちゃんが出てくるの！？」
銘苅「当たり前じゃない。
そいつは事件前からひとつ明確に
変化があった。
心境とか内側の問題じゃなくて、
目に見える変化ね」
上原「…なんだ？それは。」
木宮「あんたのドレス、ワイヤー入ってたはずなのに、
妙にヒラヒラしてたじゃない。
…だから私それみた時から思ってたの。
"何かが起こる"ってね。
…そう、銘苅さんは気づいたか。」
銘苅「逆に気づかない方がびっくりよ。」
A「あ…の…、私っ…
気づいて…なかったんです。自分で…」
そういった声はがたがたと震えていた。
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作者名：あんこもち | 作成日時：2022年11月25日 23時
