幼馴染とお隣馴染み2 (ページ38)

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そして

廉「お前がいたから」

なんて言うから私は、へ？と声を出してしまった

廉「別に他の女はどうでもええけどAにちょっかい出してんのかと思ったから
髙橋に彼女できて傷付いてるときやったから危ないと思って」

そんなことを言う永瀬くんに私は驚いて固まった

あの時、私のために怒ってたの…？

なんで

私なんかのために

それなのに私はあの日最低だなんて言って

軽蔑するなんて言って突き放した

私は本当にごめんなさいと言って頭を下げた

すると永瀬くんは私の頭を上げて

廉「誰だって怒るやろ
現に先生からとは言えキスしたんは事実やからな。
まぁ最近はずっと誰ともしてなかったけど、あの日は色々イライラして流されてしまったわけやし」

謝んなよ、そう永瀬くんに言われた

A「いや、でも何も知らなかったから。
それに…」

永瀬くんの家族の話をしていいのか分からなくて言葉を探す

すると永瀬くんは悟ったように話した

廉「気にせんでええで？
父親が死んだんはもう2年前とかの話やから。
俺が高校受験終わったくらいやったし。
そこからは今もずっと母親と2人暮らし。
まぁでも父親死んでからは何かと不安定でさ、」

あまりにも淡々と話すので私が話についていけなかった

でも必死に話を聞く

廉「まぁ母親はよく男と出かけとるから家にはおらんねん。
でもたまに帰ってきたらお酒飲んで泣き喚いたり物投げたりするからどうしても傷とかとかできてまうんよな」

傷？

傷って、何…？

そんな風に疑問に思っている私を見て永瀬くんが話を続けた

廉「母親と言っても女やし俺は男やから全然痛ないんやけど、物が固いからアザとかできるときあんねん。
壁にも傷があるやろ？それのせい。
傷あると体育の時間とか面倒なんよな、いちいち聞かれるし。
だから休んだり遅刻したりしてサボってた」

そんな永瀬くんに私は何も言えなくなった

嘘でしょ

永瀬くんはそんな素振り一切出さなかった

いや、私にそこまでの想像力がなかったのかもしれない

だって私の家族は円満で仲良くて

家族関係のことで悩んだことなんてなかった

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