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海人と私は振り返る
すると小さくて可愛らしい子が息を切らしながら走ってきた
梨奈「海人くん！一緒に帰ろ」
そう言ってニコッと笑っている
あ、
この子か
一瞬で分かった
だって海人の顔つきが変わったから
海人「梨奈！ごめん、一緒に帰りたいけど…」
そう言ってチラッと私を見る
なんか
嫌な感じがする
梨奈「えっと、いつも言ってるAさん…？」
海人「そうそう！幼馴染の！
Aが熱出しちゃってさ、しんどそうなの！
だから今日はごめんね…！」
そう言って梨奈ちゃんに頭を下げている
梨奈ちゃんはチラッと私を見てきた
これは
邪魔
そういう目をしてる
分かる
今までにもこういう目を向けられたことがあるから
私は梨奈ちゃんから目をそらして俯いた
すると海人が私の方に駆け寄ってきて
海人「大丈夫？しんどい？やばいよ、早く帰ろう！
ごめんね梨奈！帰ったら連絡するから！」
そう言って梨奈ちゃんを置いて海人は私を抱き抱えながら歩いてくれる
そんな海人に体を預ける
ごめんなさい
ずるいのはわかってる
でも許して
海人だけは誰にも渡せないの
海人がいればいいの
海人の香りに包まれながら私たちは家に向かった
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作者名：T.che | 作成日時：2020年2月21日 14時
