7日目____(4) ページ21
「この魔界といいますのは、あなた方の住む人間界と天使たちの暮らす天界のちょうど狭間にある世界。
人間ならば選ばれた者しか入ることのできない神聖な場所____
いわば、そこに確かに存在するようで、実は曖昧な世界なのです。」
分厚い本の真ん中辺りを開いたモーデンさまが大図書館の電気を消すと、
天井には大きなプラネタリウムのように3つの世界が写されていました。
そしてそれに驚く私を見て少し微笑み、お話は続いていく。
その姿は、かつて病弱だった兄が私に語ってくれたのと同じ____
魔王さまがはじめて料理を作ってくださったときと似ていました。
「そしてこの世界にはご存じの通り、悪魔と魔物、そして堕天使がおります。
我々は悪魔の中でもそれなり高い地位を持っている方なのですが____魔王さまやアスティさまには到底及びませぬ。
悪魔や天使には厳しい序列がありますので....ああ、話がずれてしまいました。」
えーっと、と魔法でできた眼鏡をかけ直しながら本をペラペラとめくり、咳払いをする。
「お話を聞くところによると、あなたがここへ来てから今日でもう7日がたつそうですね」
「えっ、まだ7日...?」
「ああ、そうだね。人間の時間で言うとそのくらいかな」
「....といふことは姫が森へ来しは2日前と」
そんなにでしたっけ....もうなんだか本当に家族みたいな気分でいました。
最初に魔王さまの手作りご飯を食べたので『よもつへぐい』のような感覚に陥ったのでしょうか....?
ということはアスティさまとは出会ってまだ1日....!?!?
大図書館までの道のりが長くてすっかりお姉さんとして頼りにしていました.....。
「その様子だとずいぶん慣れているようですね....ふふ、
美味しいですよね....魔王さまの手料理♡」
「また作ってあげるよ」
「本当ですかっ!?」
「あ、今のはプリンセスに言ったんだ....ごめんね」
「いやんっ、放置プレイですかっ!?
ひどいです.....このヘンタイッ!!」
大図書館の床にへたりこむモーデン様が、なんだか嬉しそうな表情に見えたのですが、
きっと気のせいですわよね....?
「早く続きはじめなさいよ、日が暮れるでしょーが!」
「あぁんお姉さまァッ♡
はっ....! おほん!では続きを.....。」
さっきまで語ってくれていた方とはまるで別人.....もとい別悪魔のような方です。
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ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - arisunekoさん» 分かりました!更新は遅くなるかもしれませんが必ず登場させたいと思います!ありがとうございます! (2019年6月9日 21時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
arisuneko - ん〜、いつも冷静に物事を見ている的な! (2019年6月9日 20時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - arisunekoさん» おお〜〜素敵なキャラをありがとうございます!!実在の魔族しか募集しないつもりでしたが.....素敵です!!性格などの指定はありますか? (2019年6月9日 16時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
arisuneko - 名ガイス 真名ユース=ガイスト 魔族の精霊使いはどうでしょうか!なんとなく作ったキャラです (2019年6月9日 11時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
ファイアー@宝石の国沼(プロフ) - 作者から:登場させてほしい魔族や天使、盗賊などの勇者の仲間は随時受け付けます。みんなの溢れるアイデア募集中!!(創造力の乏しさを補おうとする女) (2019年6月5日 18時) (レス) id: 58297e2569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ファイアー@橙蛙不二周助の人 | 作成日時:2018年8月22日 20時