山吹45 ページ45
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地図を見ながら奴良組へと向かう途中、山吹の花を見た。随分と久し振りに見たそれは、母が咲かせていた花に随分と似た雰囲気を感じられるようだった。
「おとーさん！」
突如聞こえたその声に、畏れを発動させる。
聞き覚えのない声だ。
男の、子供の声。
ここから先は奴良組の本家だ。確か、ここ周辺は奴良組の敷地のはず。ならば、この声は組の誰かの息子と考えるのが自然だろう。
だんだんと近づいてくるその声を聞いていると、向こうから着物を着た男児が走ってくるのが見えた。そして、反対方向には、見覚えのある男の姿を捉える。
「リクオ。その子は……」
リクオ。そう呼ばれた男児は、おそらく鯉伴の息子。
その子というのは、男児の後ろに立つ少女のことだろう。
私のことには、気づいていないようだった。
そして、私はその少女を見て唖然とした。その姿は、まるで、まるで、母を幼くしたような容姿をしていたから。
私は、あの時の夢を思い出した。
あの、あの夢はこれを予兆していたのだと確信を持てた。これは、この少女は「羽衣狐」なのだとわかった。私は、この得体の知れない者と戦わなければならない。この、慣れない護身用の刀のみで。
一気に冷めた気がした。
現実に引き戻される。私は、もう後戻りは出来ない。この少女が鯉伴を殺す前に、私は止めなければならない。何としても。
ぎゅ、と拳を握る。
正直、怖くないといえば嘘になる。鯉伴を無事に無傷で助けられるか。このリクオという少年を殺させずにいらせるか、私は不安でしかない。
しかし、やらなければならない。母との約束を果たすために。
私は、そのために生きてきたのだから。
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ヒエ(プロフ) - とても面白かったです、更新頑張ってください！ (2022年8月5日 17時) (
レス) id: b7b4b6a723 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - いつの間にかお話いっぱい上がってる！続き楽しみにしてました！これからも頑張って！それにしてもこの小説をパクるなんて許せません！ (2019年8月8日 12時) (レス) id: 8582319c10 (このIDを非表示/違反報告)
寅丸号(プロフ) - れんれんさん» 私もできうる限り直す所存ですが、抜けるところもあるかと思います。具体的にどの話に誤字があったのか、お手数ですが教えて頂けると幸いです。 (2019年7月31日 18時) (レス) id: aa5f260623 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 誤字多いよう…頑張ってください (2019年7月31日 10時) (レス) id: 489d6b69f0 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年7月13日 22時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらき x他1人 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/43825162
作成日時：2019年6月5日 20時
