山吹39 ページ39
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莫大な妖気の異常さに、イタクは目を覚ました。
強力なそれが、里の畏れを断つのを確認した後、イタクはそれがAのものだと瞬時に把握した。
あのAのことだ。加減を知らずに畏れを発揮させたのだろう。
イタクは体を起こすと、寝巻きから着替えて畏れが治まるその方向へと向かった。
案の定、そこには畏れを断ち切ったAの姿があった。
通常、里の畏れは断ち切った瞬間から畏れの回復が始まるが、Aの技が入ったせいかまだ閉じようとしていない。その景色の向こうには、二つに割れた山肌が見える。
イタクは、それを見つめるAの後ろ姿を見た。その姿は、如何様にも何百年生きた生き様が見えた。感じる妖気の多さは相変わらずで、あの初めて会った日よりも倍以上に膨れ上がっているようにも感じる。
この畏れに慣れていない妖怪ならば、軽く気絶ものである。
「山吹」
片手には木刀があった。
新人にとってそれは扱いやすいものではあるけれど、真刀よりも使いづらいのは確かだ。主に修行で使われることから、妖気が乗りづらいように出来ている。それなのに、それからあれほどの威力が出るならば、どれほどこの威力を持っているのか、簡単には想像できない。
「……イタク」
振り返ったAの顔には、一切の汗がない。本人にとっては、軽くやったつもりだったのだろう。しかも木刀だからと油断したに違いない。
「こりゃ、大胆にやりやがったな」
イタクはそう言うと、Aの横に立ち割れた山を眺めた。
「怒られるかな」
そう言うAのまゆが眉間に寄る。
イタクはそれを見てふっと笑うと「大丈夫だろ」と声をかけた。
「赤河童様は、喜ぶと思うぞ」
イタクがそう笑いかけ、Aに言うと、Aはそっかと安心したように笑った。
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ヒエ(プロフ) - とても面白かったです、更新頑張ってください！ (2022年8月5日 17時) (
レス) id: b7b4b6a723 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - いつの間にかお話いっぱい上がってる！続き楽しみにしてました！これからも頑張って！それにしてもこの小説をパクるなんて許せません！ (2019年8月8日 12時) (レス) id: 8582319c10 (このIDを非表示/違反報告)
寅丸号(プロフ) - れんれんさん» 私もできうる限り直す所存ですが、抜けるところもあるかと思います。具体的にどの話に誤字があったのか、お手数ですが教えて頂けると幸いです。 (2019年7月31日 18時) (レス) id: aa5f260623 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 誤字多いよう…頑張ってください (2019年7月31日 10時) (レス) id: 489d6b69f0 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年7月13日 22時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらき x他1人 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/43825162
作成日時：2019年6月5日 20時
