聴きたくて、聞きたくなくて #2 (ページ5)

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53、春休みページ5

関汰side

あっという間に春休み。

春休みに入る前に
テスト休みとか卒業式があったりして、
3学期が一瞬だった。

橙摩くんと、雅くんは受験生になるわけで。

オープンキャンパスとか、
進路相談とかで、休みらしい休みではないと
嘆いていたものの、なんだかんだ楽しそうだった。

そして、2年になる俺たちも
進路を決め始めないといけない。

早過ぎない？

まだ2年だよ？

…まぁ、あっという間に過ぎるんだろうけどさ。

とりあえず、大学には行くとして…

何科を目指そうか。

高校は、とりあえず普通科で良いやって
簡単に決められたものの、
大学となると学科が多い。多すぎる。

学科だけじゃなくて、学部まである。

大学によって、
独自の学科や学部まであるとなると…

資料に目を通すだけで何時間かかるのやら…

凛空には、きららちゃんみたいに
音楽関係に進むんじゃないの？と言われたけど
あまり自分の中でピンとこなかった。

確かに音楽は好きだ。

歌うのも、踊るのも、それにピアノだって。

でも、それを大学に行ってまで
極めたいかと聞かれれば、悩んでしまう。

即答できない。

両親には、
ゆっくり自分のやりたいことを探しなさい
と言われたけれど…

どこか焦ってる自分もいるわけで。

｢うーん…｣

ふと、真咲くんからもらった
ブレスレットが目に入った。

きららちゃんも色違いの同じものを持ってたな…

結局、あの2人ってどういう関係なんだ？

ただの仲良しな先輩後輩？

それとも…

｢うーーん…｣

春休み。

唸ってる時間が多い気がする。