聴きたくて、聞きたくなくて #2 (ページ11)

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凛空side

｢きらら先輩は
いつからピアノをやってるんですか？｣

鼓太郎が聞くと、いつもの柔らかい表情になって

｢本格的に習い始めたのは3歳で
でもピアノを触ったのは、1歳だったかな…｣

そこから1年生と会話が弾んで
時折、笑い声も聞こえた。

その姿を見て、一安心…

｢凛空？聞いてる？｣

｢えっ、はっ、何？？？｣

｢これは聞いてなかったな｣

と、橙摩くんと雅くんに笑われた。

きららちゃんが大丈夫かどうか、
気になって仕方がないんだから仕方がない！

なんて言い訳を心の中でしていたら

｢きららちゃんのこと、頼むで｣

笑っていた2人が突然、改まって
そんなことを言ってきた。

｢少し早いけど、部活を卒業しようと思って｣

『えぇ！？！？！？』

思わず、3人の声が揃う。

｢3人で、この部活を引っ張っていって欲しい｣

｢引っ張っていってって、そんな急に…｣

｢3人もおるから、大丈夫やって！｣

2人の先輩は、もう心が決まっているみたいで
これ以上、引き止めることはできないんだと
そう、思わされる。

｢たぶん、しょっちゅう遊びに来るから！｣

｢それ、卒業って言うんですか？｣

『たぶん！！』

なんて、いつも通りの2人すぎて笑ってしまう。

卒業って言われて、ショックだったけど、
先輩2人を見ていたら、そんな気持ちなくなって
1年生4人や、きららちゃんも加わって
いつもみたいにバカ言って笑ってた。