81、結界(真咲視点) ページ34
自分たちが思っていたより
慌ただしくしていた女人村の人たち。
やっと落ち着いた頃、彼女たちから呼ばれた。
｢単刀直入に言います。
織は七日間、何があっても起きません｣
｢え？｣
雰囲気的に、もっと大変なのかと思ったら
ただただ七日間眠るだけという…
｢神力回復の睡眠ってことですね｣
って雅が言うと、少し微妙な空気になった。
｢この睡眠は、ただの睡眠ではありません｣
｢どういうことですか？｣
｢今まで織は神力で己を守っていました。
神の子というだけで、人だけではなく、
物怪の類からも狙われるからです。
ですが神力回復のための眠りは、とても深く、
神力が機能しない状態となります。
それでも神の子は、神の子。
目を覚ませば今まで通り、神力が使えます。ですので…｣
｢無防備な間に世子嬪を狙う輩が出てくると…｣
｢はい｣
今まで、一番強かった織が
今は赤ん坊並に弱くなっている。
しかも、人だけでなく
物怪からも狙われているなんて…
一体、どうしたら…
｢物怪の類から守るために
ここに結界を作ったので大丈夫です。
きょもの作ったものなので、呪いの類でも
そう簡単には壊れませんし、突破できません。
ですが、人からのものは防げません｣
師匠と呼ばれる人の言葉から察せれるのは
｢橙摩、雅、関汰、凛空、アラン。
七日間どんな方法を使っても良い。世子嬪を守れ｣
『はい！王様』
｢真咲は、｢俺も織の護衛にあたります｣
｢…わかった。それぞれ、すぐに準備や｣
『はい！王様！』
ここまで守ってくれた織。
次は俺が守らないと。
絶対に手を離さないと決めたんだ。
必ず、守り抜く。
やっと、お互いがお互いの気持ちに気づけたのだから…
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